英語科における「言語活動」って、英語でやるべき?

 今週は大会ウィークで授業は足踏みです。

 2年生のLesson 2は過去進行形がメインの単元ですが、足踏みしている間に、教科書に出てきた前置詞を使った後置修飾の名詞句に焦点を当て、名詞句の内部構造を「ある・なしクイズ」形式で考えたりしてみました。

 さて、先日の記事で最後に言いかけたのは、「言語活動」という言葉についてです。

 現行の学習指導要領では、いろんな教科で「言語活動」を取り入れるように言われていて、「アクティブ・ラーニング」的なものと一緒にすっかりトレンドになっていますが、英語科においては旧学習指導要領の頃からずっと授業内の英語でのアクティビティーそのもののことも『言語活動』と呼んでいたので、ちょっと混乱します。

 ちなみに、各教科等において取り組むべき広義の「言語活動」は、「記録,要約,説明,論述」と大枠が例示されています。理科の実験中のデータを整理して、自分の考えをまとめたり、複数の資料を活用して仲間にわかりやすく発表したり、といった感じですね。

 でもそういうのって、Dictationや要約といったインプット系の活動と、Picture DescrimbingやStory Telling、SpeechやPresentationといったアウトプット系(もしくは統合系)の活動が同じような役割を果たしている感じもするから、英語の授業における狭義の『言語活動』と重なる部分も多いように思います。(シンプルなトレーニング的な活動は、きっとそう呼ばないんでしょうね)

 で、先日見ていた授業では、例えば英文の復元やプレゼン作成といった狭義の『言語活動』の途中(あるいは前後の)メタな会話も、英語でするように促していて、意欲的だなぁと思ったのですが、果たしてこういう広義の「言語活動」も、英語の授業では英語でやるべきなのかな、という疑問が浮かびました。

 別に「英語の授業は英語で」なんてお題目に乗っからなくても、そうやって授業中の学習者に本来は日本語で求められる会話を、英語でやらせる意義はわかります。私だって、「もう1枚ください」とか「教科書見せて」とか、生徒が使うクラスルーム・イングリッシュに結構こだわってますし。

 ただ、中学1から2年生くらいの習熟度だと「言いたいこと」と「言えること」がかけ離れてて、あまり機能しないん恐れがあります。助動詞や比較表現が未習だと、「私はこうしたい」一辺倒になってしまい、I want it because I want it.みたいな袋小路にハマりそう。だから、教師が常に横についてフィードバックできるわけでもない教室環境では、そこまで複雑な議論を求めないほうがいいように思うのです。

 そう考えると、英語の授業における言語活動って、どんなものなんだろう、とまた考えてしまいます。今日の私の授業のように、言語形式の特徴について、日本語でああだこうだ意見を交換して、帰納的にルールを整理していくような時間だって、十分「言語活動」と呼んでいいと思うんですけどね。

 近々やろうと思っている研究授業では、ここで挙げたようないくつかの異なるタイプの言語活動を授業の中に配置してみようと思っています。