中学校教科書のアクティビティーを考える

 昨日は大阪教育大学でおこなわれた関西英語教育学会(KELES)の研究大会に参加してきました。

 天王寺キャンパスの門脇にある守衛室は、なんとも趣きのある建物。

 しかも、よーく見るとその屋根瓦にはなんと「師」の文字が! さすが旧師範学校だなぁ。だからこの守衛室このままなんだなぁと勝手に感心して、思わずパチリ。

 さて、私はオープニングとなる企画ワークショップの第1室を担当しました。お題は前にもご紹介しましたが「中学英語教科書のアクティビティーを考えるー教科書の役割,教師の役割ー」ということで、日頃から感じている中学校教科書についてあれこれ好き勝手に語る、という内容です。教科書会社さんも数社来てたけど、ブースにいらっしゃってたぶん聞いてくれてなかったかなぁというところが惜しいところ。一番伝えたい相手だったんですけどね。

 現行の教科書は、紙面半分をリスニングやスピーキングの「活動」が占めています。簡単な問題やシンプルなパタプラが多くて、お世辞にも面白いとは言えません。飛ばしたくても、そこに新出単語が含まれてたりして、結構悩ましい。

 ワークショップでは、各社の「活動」をご紹介して、いくつか体験していただいた上で、海外のコースブックなどと比較して、「活動」をより意味のあるものにできないか、という提案をしました。

 個人的にはTask-basedな教科書になっていけばいいな、と思っています。今回、PearsonLongmanの『New Cutting Edge』というタスク系のコースブックをご紹介しましたが、日本の教科書がこういう風になることは、不可能なのかなぁという投げかけです。

New Cutting Edge: Elementary: Student's Book

New Cutting Edge: Elementary: Student's Book

 そのためには学習指導要領が変わっていかないといけないですね。ずいぶん前に某席で某調査官さまに直接ご提案してスルーされましたが、思い切ってCan-doリスト形式にしちゃえばいいのになぁ。その上で、それをクリアできるように、我々教師が知恵を絞る、というほうが健全な気がします。

 どんなものであれ、「活動」を教科書の中に位置づけていくことは、使う教師の側の意識を変えていくきっかけにはなっていると思うので、次の改訂ではせめて同じページにある「本文」と「活動」を連動させて欲しいです。「本文」がない、「活動」だけのレッスンがあってもいいと思うんです。それが、Task-basedな教科書に近づくための第一歩かなと思います。


 目新しい話ができたわけではないのですが、フロアにいらっしゃった小学校から大学までのいろんな環境で教える先生方や研究者の方々、学生さんたちとお話ができて、何より今回の準備のために各社の教科書を横断的に見ることができて、私自身が勉強になりました。

 個人的には、私のあとの卯城先生のご講演や、一緒にいろいろお仕事させてもらっている山岡先生のセミナーを楽しみにしていたので、久しぶりにアカデミックな刺激を受けることが出来て、楽しかったです。

 また、会場ではいろんな方にお声をおかけいただきました。わざわざ私の話を聞くためにきてくださった方もいて、本当に恐縮してしまいます。お話を伺うと、それぞれいろいろな接点や共通点があったりして、人のつながりの面白さを感じます。

 2日目も参加していろいろお話を伺う予定でしたが、出発前に愛車MINIが調子悪くなてしまったので、予定を変更して帰ってきました。残念。この間もシートが壊れたし、17年目ということで、あちこちガタが来てます。と思ってたら、私も相当ガタが来ているようで、せっかく買ったお土産をどこかに置き忘れてくる大失態。最近こういうのがあまりにも多いので、私もメンテナンスが必要かな。

 「学会」関係で言うと、私が関わる次の大きなイベントは8月20日(土)・21日(日)に獨協大学でおこなわれる、全国英語教育学会(JASELE )埼玉研究大会になります。地元ということで、今回は私も実行委員としてお手伝いをさせていただきます。といっても私はお飾りで、実際には他の先生方がずいぶん前から準備に奔走してくださっています。今回はそういう裏側を垣間見れているだけでも、貴重な経験です。ということで、ぜひ多くの方に夏の埼玉にお越しいただければ嬉しいです。

全国英語教育学会(JASELE)埼玉研究大会ウェブサイト