「料理と皿」と「幹と枝」

 気がつけば8月に入ってました。教育課程とか各種研修とかが続いてるので「休み」という実感もないまま、夏休みももう2週間くらい過ぎてしまってますね。

 7月の終わりには静岡市、先週は草加市の教員研修会にお邪魔して、お話させていただきました。静岡市は昨年に続いて、草加市も3年前に続いて、ということで、何度もお声かけいただけるのは、本当に光栄です。

 先週の草加市では、いわゆる「料理と皿」の話と「幹と枝」の話をさせていただきました。

 「料理と皿」は「内容語と機能語」の喩えです。

 例えば穴埋め問題を作るときって、内容語を(  )にしてしまいがちですけど、最終的には内容語だけが並んでるリストを見ながら、適切な機能語を補って英文を組み立てられるようにしたいですよね、というお話です。

 料理(いいたいこと)を盛り付けるためにぴったりのお皿(文法とか機能語)を、自然と選べるようになるための練習をしたいものです。機能語を使う訓練は、教科書が変わっても、レッスンが変わっても、扱う文法事項が違っても、どのページでも繰り返し意識して練習できるポイントだと思います。関連して、音読をする際のリズムのお話もしました。

 赤字で示したのは、ターゲットになる文法のポイントになりそうな語句ですけど、必ずしも、赤字と音読のストレスが一致するわけではありません。むしろ、2年生以降に勉強する文法事項は、強く読まない語のほうが多かったりします。「大切なことは、聞こえにくい」ってことだね、という話を生徒にもよくします。

 そこから、「内容先渡し」になりそうな活動をいくつかご紹介しました。「4コマ英作文」とか「ディクトグロス」とか、Project "I"とか。先生方はここをじっくり聞きたかったでしょうから、時間がなくて駆け足になってしまい申し訳なかったです。

 さて、「幹と枝」というのは、「意味順」と「名詞句」のお話です。

 中学校で習う様々な文法項目も、大きく分けてみると「する(です)」ボックスの変化を扱うものと、「だれが」や「だれ・なに」ボックス内の構造を扱うものがあります。問題集なんかでは、全部同じように並んでいる文法項目ですけど、その文法がどんな働きをしているのか、について俯瞰的に示しながら提示してあげることが大切かなと思います。

 ということで、「意味順合いの手音読」とか、「意味順日本語会話」のような活動を紹介したり、「名詞は四角化で視覚化」のお話をしたりしました。

 最近はお題をお任せいただいた際は、この「料理と皿」と「幹と枝」の話をさせてもらうことが多いです。文法っぽい話になっちゃうので一見マニアックなんですけど、先生方の日頃の実践をもう一度ふるいにかけるというか、そういう目で文法や活動を目詰め直してもらいたい、という願いなんですけど、どのくらい伝わっているのかはちょっと不安です。もう少しわかりやすく伝える工夫が必要だと思っています。

 とはいえ、今年のお座敷関係は、だいたい一区切りついた感じなので、自分の目の前の生徒たちとの実践を積み重ねながら、またいつかお座敷がかかった際に、具体的な例を提示しながらお話できるように準備していきたいです。