最近の私の英語授業の指導観

 ポッドキャストもおかげさまでボチボチなスタートで、少しずつ登録してくださる方が増えています。あとで聞いても古びた内容にはならないネタだと思うので、今は忙しくて聞いてる暇がない、という方も、冬休みにでもお時間が取れたら、ぜひお聞きいただけたら嬉しいです。

 よく考えたら、タスク・ベースの英語指導(TBLT)の基礎の基礎を聞き流すだけで学べちゃう、お得な番組な気がします。タムさんがしっかり準備をして収録に臨んでくれてるので、まるでちょっとした授業という感じですね。今後も現場の先生方にもわかりやすくなるように、日頃の授業での実践を念頭にいろいろ話を聞いていきます。

 さて、ポッドキャストをやっていて感じるのは、私自身が最近考えていたことが、いろいろ繋がっていくなぁ、ということ。ここのところ講演やワークショップを任されるとたいていお話をする「お肉とお皿(内容語と機能語)」の話とか、「思考力・判断力・表現力≒外国語表現の能力(適切さ)」の話とか、大学入試改革を巡る4技能論争の話とか、教科教育法で学生たちに話している指導法の話とか。

 余談ですが、このあいだ自分が講演とかで使ってるKeynoteファイルを全部1つにまとめてみたんですけど、せっかくだから目次みたいなページも作ってみたら、自分の最近の興味が可視化されて面白かったんです。ちなみにこんな感じ↓

f:id:anfieldroad:20191208173117p:plain

 何か私に講演依頼をされる場合は、このへんなら割とすぐにお引き受けできますので、参考にしてくださいw

 さて、自分はもともとタスク寄りというか、目的を持った表現活動みたいなものに関心があって、「英語教育2.0」なんてブログを書いてるわけですけど、一方でその精度を上げるためのいわば1.0的な明示的指導というかトレーニングみたいなものも、私の指導の両輪として外せないものになっています。そういう意味では、PPP vs TBLTみたいな論争に参加する際は、「中道左派」(どっちを左派と呼ぶか次第だけどw)みたいなズルいポジション取りをしております。

 地道なトレーニングもしてあげる必要があるし、トレーニングで鍛えたスキルを試せる場も授業の中にたくさん作ってあげたい。新出文型の導入はシンプルに、ただし「ちゃんとした使用場面が伝わる例文やスキットの提示」だけにこだわって、あとはむしろ既習の文法をどうやって何度も使わせるかに心を砕く、というスタンスです。

 そういう意味では、「大学入試を4技能で!」賛成派の先生方がやっている授業とそんなに変わらない(もしかしたら私のほうが話させてることだってあるかもしれない)のに、賛成派から「守旧派!」「若造が!」「抵抗勢力!」「現場を知らない!」と罵られたのが、今でも理解できなかったりします。(←結構根に持ってるw)

 個人的には、今回の学習指導要領の改訂で、「思考力・判断力・表現力」という評価の観点が生まれることで、私がやりたいことがきちんと評価できる枠組みも作れそうだし、(自分でも)意外なほど前向きに今回の改訂を受け入れています。このへんは、別に1つの記事としてブログを書きたいと思っています。

 ポッドキャストが面白いなと思うのは、特に今回はタムさんと2人で話しながらやってますので、自分の中のいろんなものを、会話の流れが自然に引き出してくれていたりすることです。台本無しでやってますので、収録中にいろんな気付きがあって、個人的に一番勉強になっているのは自分だと思います。そこでの気づきを、こうやってブログにも書ければいいな、と思っています。