好きな理由を書かせるのって必要?

 大修館書店『英語教育』誌での連載も通算21回目になりました。

 先日発売になった12月号では「好きな理由を書かせるのって必要?」というテーマで書きました。主に英検3級のライティング問題を取り上げ、残念な部分を書いておきました。「Aが好きなのはBが好きだから」をそろそろやめましょうよ、というお話です。

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 ちなみに、英検の模範解答ではむやみにbecauseは使ってないし、もう一つやり玉に挙げたFirst, Second, Thrid,...みたいなのも使ってないんです。これは埼玉県の高校入試問題も同じで、I like A because I like B.を刷り込んでいるのは実は先生方だったりします。だから英検には責任がないかと言われると微妙で、そういう指導が蔓延しているのは受験者の回答傾向でわかっているんだから、英検だってちゃんとメッセージを発信するべきだし、そもそもそういう答えを引き出してしまいそうなお題設定をやめるべきです。

 個人的には英検はそれほど嫌いじゃなかったので(大学入試改革案の時は素直に「怒り」も表現していて、人間らしいなぁと感心したものです)、ライティング問題導入以降私の中で価値が下がってしまったのが残念です。

 思えば若林俊輔先生が「「英検」はやめてもらいたい」と『現代英語教育』誌に書いたのは1999年。それから20年以上が経って、さらに歪んだ形で英語学習者と英語教師を惑わせているとしたら、その責任は誰にあるのでしょうか。

 

 さて、12月号の中の「次号の予告」をすでにご覧になった方もいらっしゃるかと思います。ん? 「好評連載スピンオフ企画」だって? まさかの「第1特集」ですと?(本当に「第3特集くらいかと思ってた…)

 

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 まさかに私がこの雑誌で巻頭を書かせていただけるのは恐らく最初で最後。もう原稿は送ってしまいましたが、改めて緊張感が増してきました。私のはともかく、他の人の「斬りっぷり」をどうぞお楽しみに。