HOME / Mr.Children

HOME(通常盤)

HOME(通常盤)

 前作「I LOVE U」から約1年半。タイトル通り「あたたかいアルバムだなぁ」というのが第一印象。「I LOVE U」ではさわやかなメロディに乗せて救いのないこと歌ってた「未来」みたいな曲があったけどね。今回はスパイスとして「フェイク」みたいな曲もあるけど、全体を通して音も歌詞もメロディもどこか優しい。そういう意味では「フェイク」が心配したほど浮いてないのが不思議なくらい。

 特に「僕らの音」や「Candy」からの流れを汲みそうな「Another Story」と「ポケット カスタネット」が秀逸。「しるし」やSalyuと歌った「To U」みたいな大曲とは一線を画す佳曲です。歌詞も昔ほど意地悪な感じがしない。愚直。なんか自分より少しだけ上の世代の櫻井さんが書く詩は、いつも自分の少し先を歩いている感じで、そこに自分は「未来」を見るわけです。だから、すごくリアル。彼の成長や変容が決して不思議でも特別でもないと受け入れられるんです、私は。

 だから、ある人たちには「ミスチルの新譜、地味じゃね?」って受け取られるんだろうなぁと思いつつ、「今の自分はこういうの聞きたいんだよ」なんて思います。時代じゃなくて、自分(たち)が求めてる歌がそこにあるんです。

 全体的によりリアルな心情を吐露しつつ、メロディも計算と言うより感覚的。かつてウェルメイドな曲を書く事に必死になっていた櫻井さんの姿はありません。でもその方がストレートに私の胸を打ちます。ポピュラリティへのこだわりを捨てたはずのMr.Childrenがある人たちにとってポピュラリティを得ている、というのは不思議な話ですね。

 さーて、初回特典でついてきたドキュメンタリーDVD見てみるかぁ。