副教材選び

 大量に積まれた審査用見本をひとつひとつ眺めて、ここ数年で教材もずいぶん進化したなぁと感じます。使う生徒や授業をする教員の視点で考えられたものが増えたような気がします。特に感心しているのが「正進社」の教材。その中でも私のお気に入りをいくつか紹介します。

「英語の語順ドリル」

 日本語の語順をまず入れ替える、というステップを踏むことで、日本語と英語の語順の違いを意識させるというもの。自作で似たようなの作ってただけに、「こういうのが欲しかったんだよ」とひとしきり感心。

トークトーク・ライト」

 大きさと値段がネックで採用してなかった「Talk & Talk」が、サイズダウンして安価になった「Talk & Talk Light」を発売。DSかよ、と突っ込みたくなるけど、なるほどよくできている。この本はなんといってもイラストがよい。英語教材においてイラストってすごく大切だと思うのです。やる気が変わってくるからね、そういうので。

「ニュー・リスニング・プラス」

 問題にひねりがあって、生徒が楽しみながらリスニングに挑戦できます。声優陣もバラエティ豊かで、表現力があります。お金と手間ひまかけて丁寧に作っている感じがします。
 
 この会社は元教員が関わっているのか、現役の意見を取り入れながら教材を開発しているのか、「こういうの欲しかった度」の高い教材を作っています。すごく自分のツボを刺激するんだよなぁ。そしてデザインが抜群にいい。センスのよさを感じます。そんな正進社の英語教材一覧はこちら

 そして、ノートについては後日改めて語ろうと思うけど、教育同人社の授業用ノートが素敵。単語書いて、本文書いてと自分できれいにノートを作りたい生徒(作らせたい先生)には「親切設計すぎる」と感じられるかも。でもああいう「きれいなノート作り」って、自己満足の方が強い気がします。もちろん自己満足ってモチベーションの意味では大切だけど、それを実感できるのはあんまり多くない気がするんです。だから、これくらい親切なノートの方が、多くの一般生徒には使い勝手がいいと思います。

 いい教材がたくさん増えたのは嬉しいのだけど、生徒の(保護者の)負担を考えると、あれもこれもは買えない。それに、あっても週3時間では使いこなせないでしょう。教材の取捨選択が頭を悩ませるところです。