「Creep」「Bullet Proof」「Paranoid Android」などのヒット曲で知られるバンドRadioheadは米国時間9月30日午後、最新アルバム「In Rainbows」をファンが好きな料金を支払ってダウンロードできるようにするとウェブサイトで発表した。
デジタル版に加えてIn Rainbowsは、アートワーク付き2枚組み12インチLPと2枚組みのCDが、カスタマイズジャケットに入って約80ドルで提供される。ウェブサイトによると、商品は12月3日に出荷予定という。(CNET Japan)
というわけで、さっそくダウンロードしてみました。radiohead.comに行くと「?マーク」があり、クリックすると「あなた次第です」と言われるので、金額を設定。クレジットカード手続きをするとアルバムがダウンロードができるようになります。ちなみに私は4ポンド(943円)にしてみました。「アルバム1枚が1000円くらいになったらいいなぁ」という願望と、「購入者の平均が約4ポンド」というニュースを見て決めました。みなさんなら「好きな音楽」にいくら払いますか?
音楽流通の世界を大きく変える可能性がある今回の企画は、みなさんの目にはどう映るのでしょうか? これまで音楽産業の発展を支えてきたレコード・CD業界にとっては大きな打撃でしょう。我々はこれまで、音楽そのもの(だけ)ではなく、ディスク、ジャケット、歌詞カード、その他の付属物を含めたものに代価を払ってきたわけです。ネットダウンロードでは、目に見えない「音楽そのもの」に対してお金を払うことになるわけですから、リスナーとアーティストの関係性も少しずつ変わっていくかもしれません。
私もこれまでたくさん「ジャケ買い」してきました。CDの貸し借りって結構人間関係を深めたりもします。こんな風に「付属物」が音楽の世界を広げてきたことは間違いありません。歌詞カードを眺めるのも楽しい趣味の一つでした。棚にコレクションが増えていく楽しさだって「音楽好き」を動かしていると思います。
そういう意味では、今回「音楽のみ」のダウンロードと「付属物付き」の販売の両方を設定したことは、そんな様々な「音楽好き」に対する彼らの配慮なんだろうと最初考えましたが、彼らの場合、誰よりもそのアートワークを表現手段の一つととらえ、こだわっているんですよね。「彼らがそうしたかった」というのが、真実かもしれません。
デジタルな時代。だからこそ今後はCDなどの音源にではなく、生のライブパフォーマンスなどにこそ、お金を払う時代になるのかもしれません。
肝心のアルバムレビューはまた今度。かっこいいアルバムです。