Radioheadは2.0だ

 Radioheadがまた面白いことを始めました。

 少し前には最新アルバム「In Rainbows」の値段を購入者に決めてもらうという異例のダウンロード販売をおこなったばりの彼らですが、今回はiTunes Storeで"Nude"という楽曲のリミックス用の素材を販売し始めました。つまりボーカルとか、ギターとか、ドラムとかパート別にトラックを購入して、他の素材とあわせながら自分流のリミックス盤を作れるというもの。
 iTunes Store(Japan)
 しかも公式サイトではそれらのオリジナル版のリミックスを投稿して、ファンにランキングさせるというコンテストまで開催。

 彼らは表現者でありながら、時として自分たちを「表現のための素材」として提供しようとする。一度世に出たものはもう自分だけのものではない、というオープンソース的な心意気を感じます。どちらがサーバーでもレシーバーでもない。こういうプラットフォームこそ、2.0と呼ぶべきものでしょう。見習わなくては。

 レコードからCD、ネットダウンロードと音楽を包むカタチが変化していく中で、「本当の音楽は目に見えないものである」ということに気づかせてくれたRadiohead。もちろん、レコードやCDといった付加的なモノは、時に音楽やそれをとりまく人生を演出してきてくれたものではあるんだけど、ミュージシャンが一番届けたいものはそこにあるとは限らないんじゃないか、とも思います。だから、こういう表現だって、アリなんでしょう。

 iTunes Storeではベース、ドラム、ギター、ストリングス、ヴォーカルをそれぞれパート別に1つ150円で販売中。さらに4月8日までに5種類全部のトラックを購入すると、同曲のGarageBandのプロジェクトファイルももらえる特典付き。公式サイトのリミックス投稿募集は5月1日まで。挑戦してみたい方は、お急ぎを。

 ああ、リミックス、めちゃくちゃ興味があるけど、そんな時間があるかなぁ…。ないなぁ…。ども素材だけ買っておこうかなぁ。