スピーチに字幕テロップ

 文化祭の中で、英語スピーチコンテストに参加した代表生徒の発表があります。後輩も同級生たちも素直に「すげー」と感心して聞いていますが、「うますぎる」ことが結構壁になっている感じ。1年生は当たり前だけど、ほとんどの子たちは「すごい、けどわからねー」となってしまい、よっぽど忍耐力のある子じゃないと眠くなってしまいます。

 というわけで、これまでにも「字幕付けてくれ」なんて要求もありました。でも、そうすると誰も発表者を見てくれない。いいアイディアはないものかと思案した結果、ダイジェストで字幕をつけることに。よくテレビ番組でインタビューなんかしてるとき、右上とかにそのときの話題をテロップで載せてることがありますが、あんな感じです。ステージで発表している生徒のヨコにスクリーンを立てて、パワーポイントで作った「テロップ」をプロジェクターで写しました。

 例えば、Mさんのスピーチ「The Monster」の場合、

 「最近、いつも眠いんです」
 「漢字の練習をしていたら…」
 「みんな受験モードだし」
 「オススメ睡魔撃退法1 目を休める」
 「オススメ睡魔撃退法2 コーヒーを飲む」
 「オススメ睡魔撃退法3 好きなことをやる」
 「でも、最近はがんばっています」
 「だって、私には夢があるから」
 「居眠りで夢見てないで、夢を持とう!」

って感じ。段落ごとに1つずつ「今話していること」を1行で示していきます。これで一般生徒や保護者も「どんなこと言ってるのかな」と推測することができるし、英語が得意で純粋に「わかりたい」と思っている生徒にとっては、リスニングの手助けになると思います。結構好評だった、と思います。

 今回はこのテロップを私が作りましたけど、生徒にやらせてもおもしろいですよね。この「1行にまとめる」という作業は、リーディング(内容理解)のトレーニングに使えそうです。例えば、教科書の1セクション(1ページ)読んで「1行であらすじを書け」なんて活動に応用できそう。日本語であれ、英語であれ、この「まとめる」というのは結構難しいから、「表現の能力」を磨く上でもいいトレーニングになると思います。

 ふと、前に学活でやっていた「1行で読書感想文」を思い出しました。センスのいい子は面白いの作るし、何度もやっていると慣れてうまくなっていきます。先日の全国学力・学習状況調査の結果によると、「正しく読み取る」「考えをまとめる」って、日本の小中学生が苦手なことだったはず。こういう活動が今、求められているんでしょうね。