限りなく「英語」に近い「総合的な学習の時間」

 スーツの上着を着たままでも心地よい気候になってきました。ずっとこのくらいならいいんだけど。

 さて、今日は某県の国立大学附属中の授業を参観してきました。

 午前中に2つの授業を参観しましたが、どちらも英語で書いた説明をグループに1人やってくる外国人に英語で説明する、という活動でした。(3年生はエコ関係のグラフを説明、2年生はお気に入りのアニメを紹介)

 この学校では通常の3時間の「英語」の授業とは別に、年間25時間、総合学習の枠組みで「英語コミュニケーション化」という位置づけでこういうプレゼンや調べ学習に取り組んでいるそうです。(英語以外の教科も同様)

 ですので、通常の英語の授業として考えると、ねらいも評価規準も、「あれ?」と思うところが多いです。ただ、週4時間になった時のことを考えて、こういう発展的な授業が可能になるのではという意味では、一般校にとっても参考になるものかなと思いました。生徒は一生懸命発表していましたし、伝わる喜びや、伝わらないもどかしさを肌で感じて、とてもいい経験になったことと思います。

 個人的に気になった点は、

  1. 接続詞などを効果的に用いて論理的な文章を書くことを目的としていたが、それだったら無理にspeakingさせなくてもwritingとして落ち着いてreviseさせた方が内容が深まるのでは?(音声になると、発音も含め個別に指導するべき項目が増え過ぎてしまう)
  2. 1回目の反省を踏まえて、発表を2回おこなったが、生徒が改善したポイントは「原稿の論理性」よりむしろ「発表の態度・技術」だった。(授業者は論理性にこだわっていたけど、生徒は発表技術が格段に上達していたのでそっちを褒めてあげてほしかった)
  3. 発表後でのQ&Aではフリーズする生徒が多発。ここもちゃんと育てていかないといけないよなぁ、と自戒。
  4. スピーチ指導をする場合、生徒のオリジナル原稿でやる前に、みんなで同じ既成のスピーチを扱い、上手に読み上げるような(発表できるような)練習をやっているところは少ない気がする。そういう練習を経由してから、オリジナルに進むべきでは。

 といったところです。通常の「英語」の授業との連動性も気になるところですが、発音や読み方、writingの基本スキルなんかは、確実にシンクロさせて、学年の発達段階に合わせてタスクを組んであげたいところですね。

 なおその後の研究協議会では、参観者のあるお方から、

  • 何より英語教師の英語力(発音や文法力、語彙力)をもっと上げろ
  • 早口で適当なこと言うな(言わせるな)→ゆっくりクリアに正確に話せ
  • コミュニケーションごっこなんかやってないでちゃんと読み書きをやれ

というなかなか厳しいご指摘がされてました。会場の空気凍りついてた(笑)

 似たような話をいつもどっかで聞いているような気がする埼玉から来た2名の参加者だけは、心の中でニヤニヤ聞いておりました。あ、ちなみに「あるお方」はうちのセンセじゃないですからね、念のため。