小学校英語活動研修会

 冬休みにもあった、町教委主催の英語活動研修会。ALT派遣会社が小学校の先生方を集めておこなう研修会に、中学校代表として参加してきました。内容的には前回の1月のものとだいたい同じかな。自己紹介、ウォームアップゲームの紹介、スキットの練習、クラスルームイングリッシュの練習。

 今回は特に英語活動を中心的になっている先生以外を集めて開催、と聞いていたけど、各校参加したのはやっぱり担当の人たちでした。とすると、もう少し違う内容でもよかったような気がします。特に、ウォームアップゲームの模擬レッスンをやったけど(そしてなぜかぼくが代表でやらされたけど)、実際に多くの人がそれを体験しないと意味がないと思うのです。

 活動のアイディアとか、英語そのもののスキルトレーニングも大切だけど、個人的にはMC役として授業を切り盛りしていくために必要な英語表現であったり、ALTへの適切なスイッチングなどの判断力こそが、フツーの担任の先生には求められるんじゃないかなぁと思います。間違った生徒をどうフォローするのか、発表者が手が上がらなかったらどう支援するのか、ゲームの説明はどこまで英語でやるのか、などなどなど中学校の英語授業でも意外としっかりできていない(かもしれない)ことがたくさんあるのになぁと思いました。

 今回の研修会は基本的なアイディアをシェアする会なのか、「教え方」をシェアする会なのか、趣旨が少し明確ではなかったように思います。個人的には4人組くらいでゲームを考えて、実際に生徒役の参加者を動かすなどのグループワークの方が、小学校の先生にはいい研修になったのではと思います。

 さて、小学生向けに提案されるゲーム類は、どうしてもスピードや数を競うモノばかりで、あまり英語そのものにフォーカスされていないことが多いです。ゲームの中で自然に英語に触れられればいい、というスタンスなんでしょうけど、もう少し言葉の音とか意味を感じられるようなゲームもないものかなぁと思います。あるいは、子どもたちのcreativityがもっと刺激されるような活動も仕組みたいところです。

 今回紹介されたサンタゲームはちょっと面白かったです。「リング」「車」「時計」の3つのカードをそれぞれ持ち、友だちとじゃんけん。勝った方がサンタになります。サンタは自分の持っているカードの中から1枚だけ選んで胸の前で隠し、「What do you want (for Christmas)?」と聞きます。相手は「I want a car!」と欲しいモノを答えます。カードと一致したらサンタは「Merry Christmas!」といってカードをあげます。(一致しなかったら「I'm sorry.」と言ってさよならします。)はやくカードがなくなった人(プレゼントを配り終えたサンタ)が勝ち、というゲームです。(実際には一度カードがなくなったら1ポイントで、教師がまたカードをあげてゲームを続けさせます)

 このゲームのキモはやはり「あげる」ことが「よいこと」なところで、人からカードを奪うように集めるゲームよりちょっと優しい感じがします。あげる喜びを体験させることができます。ところが、実際にやってみると、みんなカードをもらっても喜ばない。(笑) ルールからすれば当たり前だけど、「えー!」とか言いながら受け取ります。きっと生意気な小学生なら「要らねー」とかつぶやいて、時にはカードをこっそり捨てちゃう子とかいるかも知れません。

 もちろん、ルールを徹底する授業規律や、ゲームの裏にある文化的な差違などをあらかじめ指導しておいて対策することもできますが、私ならルールを少し変えちゃうなぁ。実際やってみて、私の手元には車のカードばかり集まってきてしまった。こうなったら、車のカードをとことん集めることにこだわってみても面白いなぁと思ったわけです。つまりカードを集めることにがんばる生徒がいてもいいんじゃないかと。 「Be a good Santa, or be a good kid!」といって、たくさん配ったサンタとたくさんカードを集めた生徒、両方を表彰してあげてもいいんじゃないかと思います。あるいは、1つのカードをたくさん集めた生徒とか。

 この間書いた免許更新制の内容とも関連するけど、もっと現場の「求める研修」が実現していくといいなぁと思うのだけど、今どんな力が求められているのかをちゃんと把握しておくことが大切そうですね。