第4回でじたま

 午後から部活だったのでお昼までの参加でしたが、今日も十分刺激を受けてきました。「デジタル教材in埼玉」略して「でじたま」です。

 今回はやはり文教大のI先生のお話が刺激的でした。ICTは使われる(使う)「必然性」と、実際に使う「状況」が大切というお話。まったくです。そしてSustainability(持続可能性)こそが、学校におけるICT機器導入(というか定着)の最大のポイントでしょう。iPhone/iPodの進化など、機器の小型化で課題も少しは解決するでしょうか。でも機器のセッティングなどは、以前(一般的には)ハードルの高い作業な気がします。

 そもそも以前は目新しさもあって全員の注目を一カ所に集められることがICTの利点だったんだけど、今後はより「学びを深める」ために個々に機器を扱わせることが想定されるので、松二のiPodの取り組みはまさにその最先端を行ってるのだと思います。何度でも自分のペースで学べるのが、今のICTの最大のメリットですから。だからそれを活かす仕掛けづくりが「でじたま」でも課題なのだと思います。

 ただ、それでもやっぱりぼくはICTを単純に繰り返し学習のために使うのはもったいない気がします。今日のお話で言えば「1分間のマルチメディア解説づくり」みたいに、生徒がクリエイティブに活動するプラットフォームとしてICTを使う方がいいなぁと思うのです。そこに本当の学びがあるように思うのです。そう、生徒に「使わせる」じゃなくて、生徒に「作らせる」ということ。ぼくのPodcastの取り組みなんかも、その辺に位置づけられている気がします。そして、それはアップルのLearning Intercahgeなんかとは、ちょっと一線を画す取り組みなんだと思います。デジタル教材としての汎用性はあまりないですからね。

 もう一ついいなぁと思ったのは、あふれるデジタル的な取り組みの中に、ノイズのように散らばるアナログな(人間的な)営みが垣間見られたことです。小学生が自分の鉄棒演技をビデオで録って、パソコンの画面でチェックするという活動をご紹介されましたが、今の機器ならWi-Fiとかでデータを飛ばせそうな気がしますが、児童がSDカードを受け取って別のパソコンに差し込んで見るという過程に、ドキドキ感というかトキメキがあるように思うのです。自分の手で(足で)運ぶ、というステップがすごく大切だと思うのです。

 後半は博物館と学校の連携(学博連携)のお話。こちらは兄の修士論文のテーマと同じなので、思い出しながら興味深く聞く。それぞれ「文化が違う」人たちが集まって作り上げたものは、また新しい文化になっていくんですね。ヴァーチャルなものは実物には勝てないけど、だからこそそのギャップを活かして実物の持つ強さを印象づけられるのでは、という逆説的な活用法が印象的でした。全部見せない(説明しない)という仕掛けも素敵だなぁ。

 デジタルのおもしろさと同時に、言葉選びのおもしろさを体感できました。

 ご参会のみなさま、お世話になりました。またお会いできるのを楽しみにしています。