働く人の夢

 運動会が終わりました。

 ちょっと張り切りすぎたみたいで、せっかく治りかけていた腰を、また痛めてしまったみたい。しょうがないので、今日は自宅で静養します。本当は求道塾例会@高崎まで行くつもりだったのですが、急遽取りやめ。ご迷惑をおかけします。

 とはいえ、運動会、楽しかったです。

 中学生って、こちらの想像を超えて、いろんなことができてしまうからすごい。係の仕事もそう。演技もそう。こちらで勝手に枠を作ってしまってはいけないんだなぁと感じた一日でした。あっというまに成長しちゃいますね、彼らは。そんな驚きや喜びを共有できる、おもしろい職業ですよ、教員って。

 さて、そんな「職業」について考える本をご紹介。2学期から教室に置いています。

働く人の夢―33人のしごと、夢、きっかけ

働く人の夢―33人のしごと、夢、きっかけ

 「中学生の夢」など「夢」シリーズを刊行する「日本ドリームプロジェクト」による最新刊。印象的なポートレイトに、飾り気のない率直な作文。フツーの人たちによる、フツーの文章が、フツーな我々の心を動かすんだなぁと感じました。(「中学生の夢」には前任校の生徒が載っていて、見つけたとき興奮したものです)

 今回も、いろいろな職業の人たちの等身大の生活とそれぞれ「夢」を語りながらも、内容は地味。無責任に「バラ色な未来」を語らず、苦労や辛さも織り交ぜながら、なぜ自分が仕事を続けていられるのかを「たまたま」振り返ってみた、という趣。誰だって、わかりやすい「やりがい」をもって、仕事をしているとは限りませんから。

 そして紹介されている職業も地味。「茶園園主」や「ワクチン品質管理」など、「子供のあこがれる職業リスト」には載りそうもないマニアックなものが並びます。「主婦」なんてのもあるし。

 印象的だったのは、「保育士になることが夢だったけど、なってから何をするか考えてなかった」という趣旨のある保育士さんの一言。「将来の夢は?」という問いに、ただ職業名を答えれば満足してきた親や教師は、もう少し子供の心や可能性を掘り起こしておく必要があるんじゃないかと思いました。

 そんなことを考えさせてくれる一冊です。さりげなく教室に置いておきたいですね。シリーズに「アスリートの夢」も加わりましたが、ぼくはフツーの人たちが主役の「働く人の夢」の方が好きです。