あるよ 編

 初任校は本当に部活動の盛んな学校でした。吹奏楽部は何年も連続で日本一、バスケ部も全中の決勝まで行きました。運動部はほとんどの部が県大会に行くので、大会前の壮行会では「全国行きます!」とか「日本一になります!」とか堂々と宣言する部活ばかり。(←しかも、あながち大きすぎる目標ではなかったりする) 県大会に出ることを悲願としていた「普通の部活」の顧問としては不当に肩身が狭いをしてました。

 あ、でも、強い部活が周りにあるのって、すごくいいです。当然しつけもしっかりされてる部活ばかりなので、隣でその姿を見ているうちの部の生徒たちも「部活っていうのはああいうもんなんだ」という心構えで取り組んでくれますから、いい意味で刺激になっていたと思います。

 さて、大会シーズンが終わると体育館の窓には成果を上げた部活の名前が「拡大くん」されて掲示されます。数が多すぎて体育館の窓がいっぱいになります。そんな中、存在を忘れられないようにと小さな抵抗。

 いや、やってないですよ、実際には(笑) でもそんな気分だった、ということで。あまりにも自虐的なので、さすがに学級通信の裏には掲載しなかった職員室限定の幻の作品でした。勢いで「バレー部、冷えてます」とか「バレー部、はじめました」とか書けば良かった?(笑)

 あ、そういえば地元の某喫茶店(夜は居酒屋)の壁には、「エビスビールありません」というポスターが貼ってありました。意味が分からず店員に訊いてみたところ、本当にエビスは置いてないそうです。その昔エビスの人が営業に来たときに、「この店ではハイネケンを扱ってるんで」と断ると、「じゃあこのポスターだけ貼ってもらえますか?」と置いていったのだそう。

 ボケつつ、ちゃんと宣伝にもなってて、なかなか粋な広告だなぁと思いました。