あの空の塔、なんと詠む

 今日から大学は学祭なんですけど、院の方は補講があったので授業に行ってきました。

 帰りの電車の中で、スカイツリーの広告を見かけて素敵だなぁと思いつつも電車の中では写メることができなかったんだけど、最寄り駅に降りたら改札脇に同じポスターがあったので思わずパシャリ。

 これすごく綺麗じゃないですか? よーく見ると、全部○だけで表現してるんです。すごく気に入りました。今度からこういう気に入った広告を見かけたら、時々ここでも紹介していこうかなぁ。

 そもそも、ぼくは広告が好きなんです。教員をやってなかったらそういう方面に携わりたかったな、と思っていました。広告って、その表現の中に「ことば」も「グラフィック」も「仕掛け」も詰まってて、どれも大好きな自分としてはすごく楽しい表現媒体だな、と思うんです。感覚的であって、時に論理的。ビジネスとアートの両方に足を突っ込んでる感じがいい。

 「何か」に対して人を振り向かせて、価値を見いだしてもらうという点では、教員のお仕事と似ている部分もあると思うのです。ただ、その「何か」を広告する側は選べないことがある。時に「価値のないもの」をまるで「価値があるもの」のように(仕事として)見せなければならないことだってあるかもしれない。教師は、(一応)価値があると思われていることを、自分の選んだ伝え方で、子どもたちに渡していくことができる。その点で、欲張りなぼくは、教師を選んだのかも知れません。

 さてスカイツリーと言えば、先週末都内を車でふらふら走ってたら期せずしてスカイツリーの真横を通り抜けました。真下から(運転しながらだったのでちらりと)見上げて何故かちょっと感動しちゃいました。この塔を見てると(映画「ALWAYS三丁目の夕日」じゃないですけど)未来に向かっている瞬間に立ち会っているようなワクワク感と、「バベルの塔」のような不思議な危うさというか禁忌な感じが両方混ざって、なんかドキドキするんです。ぼくが軽度の低所恐怖症というか、「高いモノの真下にいるのがちょっと苦手症候群」なのもあるとは思うんだけど。

 ふと、今の自分に至るまでの日々と、あの塔ができあがる頃の自分を、ぼんやり考えてしまった夕暮れでした。