「英語教育ブログ」みんなで書けば怖くない!企画(http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/20110301/p1)へのエントリー記事です。
すでに多くの人の「英語学習歴」がトラックバックされてきてますが、いくつか読んでみても、どれも非常に興味深い。多くは英語教師のみなさんによる記事ですので、やはりどなたも思い出深いヒトやモノやコトとの「出会い」があるみたいですね。
英語学習歴が、まさにその人の人生を語っているようにも見え、日頃ネット上で交流させてもらっている人たちの、これまでの生き様を垣間見させてもらったような気分です。今回のブログ記事を通して初めて接する方にとっては、ちょうどよい「自己紹介」替わりになるんじゃないでしょうか。そういう意味では、第1回目の共通テーマとしてぴったりだったかも知れませんね。
さてさて、人に書いてもらってばかりなく、自分も書かなくちゃね。
みなさん、時系列で語っている方が多いので、自分はあえて違う切り口で。スキルや知識の種類別に振り返ってみたいと思います。
聞くこと
中学時代にラジオの基礎英語を録音して部活後に聞こう、という試みは1週間で途絶えました。立派なステレオは、その後「音楽」再生マシンとして活躍しました。
高校の「英会話」という選択授業は、ネイティブの先生がソロでやる授業で、やや大人数ではありましたがいわゆる英会話学校的な会話レッスンをやりました。海外のテキストを使ってペアで練習する、という形。
で、練習する前に会話のシーンをビデオで観たりしてたんだけど、ある日始まったビデオを観ていると、妙に女優さんが綺麗。「なんかこれ、映画みたい」って観てたら、映画でしたw
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細かいセリフは全然わからなかったし、そもそも「今日は映画を見せるぞ」みたいなことを先生は先に言っていたはずなので、それをちゃんと聞き取れていなかったことがバレバレですが、個人的には、「英語ができるようになる」という目安は「映画を字幕無しで観られること」という風に、その時設定されたと思います。
初の海外旅行で入った映画館で観たときは、少しだけ成長が感じられてうれしかったものです。ちなみにその時に観たのはこちら。
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でも、いまだに聞くのは苦手です。最近は部屋でBBC(ネットニュース)を流しっぱなしにしていますが、もうちょっと集中して聞く訓練をしないとダメだろうなぁ。
話すこと
大学院で今一番苦労しているのがこれ。
現在院生たちの中で「最低ランク」に位置しています。「書くこと」は比較的得意なのですが、そのせいで先生には「ある人がおまえが話してるのを聞いて、書いたのを読んだら、それが同一人物のパフォーマンスとは思わないぞ」と言われるくらい、ひどいです。
でも、(ここだけの話)発音はともかくとして、もう少しできると思っていたんです。それはきっと、これまでずっとサバイバルEnglishで乗り切ってこられちゃったからなんだろうなぁ。
人と英語で話す経験をしたのは、高校時代にちょっとだけ通った英会話学校が最初。そのあと、大学1年で1ヶ月くらいホームステーしながら学校通ったりもしました。もともと(L1では)おしゃべりな性質ですので、話す内容や演出には困らない。
何よりいい経験になったなと思っているのは、お仕事をするようになってALTと話すようになったこと。最初の年からALTの隣の席にしてもらったので(押しつけられた、とも言う)、授業の打合せのために必死で話しました。やがて、仕事の話ばかりでなく、ALTの日本生活での悩みや、趣味や政治の話など、なんでも話ができるようになりました。これで「形式」はともかく、「度胸」と「ストラテジー」は身につけられたように思います。おかげで、授業中生徒を前に英語を話すのにも、それなりに自信を持ってやれていました。
でも、今はできないなぁ。大学院で、自分の発音と話す時の英文の正確さが著しく欠けていることを、思い知らされてしまったので。
振り返ってみると、単語がわからなくても、別の言い方で乗り越えるストラテジーを得てしまったがために、相手が教師のような「理解あるネイティブ」であれば、通じちゃう。みんな笑顔で「きみは英語が上手だね」とだけ言ってくれてたんです。
それに甘えて、それ以上努力をしてこなかったと思います。
だから、英語教師としてモデルとなる英語を話せ、と言われると口ごもってしまう。発音に意識過剰になって、どもってしまう。今までの(あるいは日本語話者としての)ぼくを考えたら信じられない光景です。
これを克服するために、今ここで学んでいるので、あと1年必死にがんばります。まずは、「音読」だろうなぁ。自分の音読や発話を録音してチェックする会を、院生と計画中です。
書くこと
先ほどもちょっと触れたように、これは比較的得意なんですが、それは単純に個人的に書くことが好きなので、負担感がないからだと思います。L1での経験に支えられている感じ。そして「書くこと」は、「時間をかけてやり直しができる」ということも、心理的な負担を下げるのに一役買っていると思います。昔からUNDOできることが、得意なんです。
でもよく考えると、高校や大学時代の「英作文」の授業はすごく苦手でしたし、面白くなかった。一方で今やっている大学院の授業で、先生に何度も作文を送ってfeedbackをもらいながらreviseしていく作業は楽しかったし、すごく力がついたと思っています。たぶん、高校時代の「英作文」は、全体で答え合わせをして終わり、だったから面白くなかったんだと思います。そして、自由英作文をやった記憶もありません。
「書くこと」を研究テーマに選んだものの、実はこれまでにちゃんとした訓練をしてきたわけでもありません。「なんとなく」得意なくらい。でも研究を通して、そんな自分の中の「なんとなく」や、苦手な人の「なぜか」できない理由をしっかりと言語化して、手立てを考えなきゃなぁと思っています。
読むこと
なんか苦手なのばっかりですが、これも苦手です。というか、遅いです。院生で読書会をやっていると(あ、明日読書会だった)、ぼくが一番ペースが遅い。
附属高校から大学に進学したため、大学受験を意識したリーディングのストラテジーをあまり学んでこなかった、というのもあります。いっつものんびり読んでましたから。
そして、ヘンに完璧主義なので、読み飛ばすことができない。この辺は、「聞くこと」と合わせて意識的な訓練が必要だろうなぁと思っているので、某検定試験なんかの対策ソフトなんかで、今やっと練習しています。

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語彙・文法
中学入学当初は、英語が特に好きでも、得意でもなかったように思います。その証拠に、中学時代に英語で5を取れたのは中3の3学期に一度だけでした。そもそも1年生の時に、そのページで習った例文に関するイラストを描いたノートを提出したら、「ノートに落書きするんじゃありません!」とあとで先生にこっぴどく叱られた、というせいもあるでしょうw
自分の中で何かに目覚めたのは、中2の時にどっかで「形容詞と副詞の違い」を教わって、妙に納得して、日本語との違いや共通点に関心が行った時。英語に限らず、言葉に面白さを感じたんでしょうね。
その後、高校受験に備えて入った塾で、受験的な意味での英文法知識をため込んでいくのが楽しくなって、結構勉強するようになりました。あの頃は、並べ替えや穴埋めがまるでクイズやパズルをやってるような気分だったんでしょうね。
高校に入ると、英語が得意な人ばっかりいるので簡単に挫折。特に英文法は苦手意識がありました。次のブレイクスルーは大学1年でロンドンの英語学校に行ったときに使ったEnglish Grammar in Useをやってみて。

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ということで、技能別に振り返ってみた私の英語学習歴。
ぼくの場合、恥ずかしいことに、もしくはありがたいことに、「今が一番英語を勉強している時」だったりするんで、今回の企画でみなさんの英語学習歴を読ませていただいて、一番勉強になるのは、ぼくでしょうね。
(いつもですが)長文失礼しました。