初めての海外:ロンドン滞在記(2)

 混乱したまま、ステイ先の家に入ると、子供たちは「お父さんはまだお仕事なんだ」と教えてくれました。10歳くらいの女の子と6歳くらいの男の子の姉弟。子供たちに恐る恐る名前を確認すると、やっぱり予定されていたステイ先とは違うじゃないですか!

 リビングで不安なまま待っていると、やがて父親が帰宅。

 事情を話すと、(留学関係の)オフィスに電話をしてくれたものの、もう金曜の夜だったのでつながらず。「月曜まではオフィスも開かないから、それまでどうにもならない。うちでゆっくりしていけ」という結論に。ということで、知らない家で3日間過ごすことが決定。

 部屋に通され荷物を少しだけ紐解いていると、やがて夕飯の用意が調ったので、リビングに呼ばれる。ぼくの目の前のお皿には、茹でたブロッコリーが1/2サイズ。端っこにジャガイモ1/2。以上。むむむ。イギリスの食事はすごいと聞いてたけど、これはなかなかすごいぞ。

 そこに「初めての海外」「時差ボケ」「人んち」「しかも予定とは違う家」「そもそも小食」という様々な「外敵」も重なって、食事が(ブロッコリーが)喉を通らない通らない。途中、飲み物を要求してみたら、コーラがコップに注がれて登場。コーラ+ブロッコリーというコンボで更に胸が苦しくなるw

 もう限界、とフォークを置いて、「申し訳ないけど、お腹いっぱいで食べられない」と正直に告白すると、お父さんは神妙な顔をして言いました。

○○(ぼくのファーストネーム)、きみは今異国の地にいる、これから、きみの文化とは異なる体験が続くことになるだろう。好き嫌いを言っててはやっていけない。何より体力が肝心だしね。だから食べなきゃダメだ。

 いや、お父さん。言ってることはすごく正しいんだけど、いや、これは無理でしょ。ブロッコリー嫌いじゃないけど、さずがに飽きます。でもお父さんは「俺今いいこと言ったよねモード」に入ってるんで、諦めて涙目になりながら、もう少しだけブロッコリーを囓る。

 そんな最初の晩餐でした。

 部屋に戻ると、初日からホームシックモード全開。ベッドに潜り込むと、このあとの1ヶ月がどうなることやら不安になりましたが、疲れもあってすぐに眠りにつきました。

 あれ、またトレーナーまでたどり着かなかったぞ。ま、いっか。別にたいしたエピソードはないので、期待はしないで待っててくださいね。