「たほいや」でライティング?

 みなさんは「たほいや」をご存知ですか?

 「たほいや」とは、「辞書から選んだ単語について、辞書にある本来の説明文(語意)と参加者がでっち上げた偽の説明文(語意)を混ぜ、そこから辞書にある説明文(語意)を当てるゲーム」(Wikipedia)で、その昔フジテレビの深夜番組で個性豊かな文化人がこのゲームで熱戦を繰り広げてたんです。

 やり方を説明するのは面倒なので、知らない方はこちらの動画をどうぞ。

 考えたり、騙したり、人の考えを読んだりと非常に知的なゲームなんですが、ぼくはこのテレビの影響で高校生の頃これにすごくハマりました。部活引退後は放課後図書館で広辞苑を囲んで友達と盛り上がってた記憶があります。ちなみにうちの高校は皆勤賞の賞品が広辞苑だったので、当時最新版の第4版が欲しくて、がんばって最後まで皆勤で通したくらいです。

 で、教員になって初めて持ったクラスで、たまたま何人かの生徒にこのゲームを紹介したら、うちのクラスで空前の「たほいや」ブームが!(笑) 朝練のない部活の子たちが朝早く教室に集まって、盛り上がってるんです。ぼくも自分の部活の朝練がない曜日は参戦してました。

 家庭訪問に行ったときに、ある参加生徒の親から「最近、うちの子朝早く行って学校で勉強してるみたいですけど、先生、面倒みてくださってありがとうございます」って言われたときは、ドキドキしましたよ。ま、勉強って言えば、国語の勉強にはなるかな(笑)

 そんな思い出深い「たほいや」の4文字が、少し前にTwitterのタイムラインに流れてきたので、懐かしくて懐かしくて、思わず検索して動画をいろいろ観ちゃいましたよ。特番になった「たほいやスペシャル」の映像に感激。思えば三谷さんを知ったのもこの番組でした。これから始まる番組の台本(ちなみに「振り返れば奴がいる」でした)を質草に入れてたのを思い出します。

 ちなみにTwitterで「たほいや」の話題をしていたのは、京都橘大学の池田修先生。国語教育に「たほいや」を取り入れた実践もされているそうです。
 「『たほいや』の夜 言語力育成にはこれで」(国語科・学級経営のページ)

 思えば「たほいや」は、ぼくが「言葉」の面白さに惹かれるようになった、ひとつのきっかけかもしれませんね。(のちにラーメンズと出会い、完全に「言葉遊び」の虜になります(笑)) また遊びたいなぁ。来年自分のクラスを持ったら、また流行らせようかな。

 あ、そうそう当時販売していた「たほいや」の単行本によると、このゲームの起源は欧米でDictionary(あるいはFictionary)と呼ばれていたゲームのようです。高校生くらいだったら、英英辞典を使って遊べる(勉強できる)かな? 英語でやってみたことがある方がいらっしゃったら情報ください。関係詞の練習にもなる、面白いライティング活動になりそうな予感。