Read like listening

 英文を読むのが遅いんです。

 昨年から、たくさんの英文にふれる機会があるんだけど、読むのが遅いせいでかなり苦労しています。読書会で、みんなで時間を決めて指定されたページを読んだりしても、ぼくだけ読み終わらなかったりします。

 性格的に全部わかってからでないと先に進めないところがあって、何度も戻り読んでしまうのが遅くなる原因でしょう。昔からそうなんですよね。特に大学院に入ってからは英文の難易度も上がったし、あとで説明できるようにとメモを取りながら読んでたりしたからさらに遅くなるばかり。

 でもいい加減なんとか速く読めるようにしたいと思ってたところに現れた助っ人が、TTS(Text-to-Speech)ソフトです。

 TTSソフトとは指定された文字を読み上げてくれるソフトなんですけど、最近のは本当に優秀でびっくりします。ひとつひとつの語の発音はもちろん、文になってもちゃんとメリハリをつけて読んでくれるから不思議。AT&Tのデモ版がこちらで試せますので、ご興味のある方はどうぞ。
 AT&T Labs Natural Voices® Text-to-Speech Demo
 で、この「読み上げ機能」がMacOSのデフォルト機能で備わっているということを思い出したんです。最初はMac版Wordの機能なのかと思ってたけど、MacOSの機能だったんですね。だからWord文書に限らず、テキストPDFも読み上げてくれる。これは便利だ!

 Macユーザーの方は、「システム設定」→「スピーチ」から「キーを押したときに選択したテキストを読み上げる」に設定すればOKです。どのキーを押したら読み上げるようにするかもこちらで設定できます。読むスピードも、声もいろいろ選べるので、なかなか高機能です。

 ということで最近は、この機能に読み上げてもらいながら論文を目で追っています。だから実際のところ「読んでいる」のか「聞いている」のかよくわかりません。でも、以前より速いスピードで内容理解できています。音声的なインプットが加わるんだから当たり前ですよね。

 これで「読む能力」が向上するかどうかはわかりません。でも、音声に引っ張られて速いスピードで目を動かすトレーニングにはなっていると思います。細かい点でわからないところがあっても、音声は先に行っちゃいますから、とりあえず無視して先に進む経験も積めています。個人的には、以前よりは音声なしでも読むスピードが速くなったようには感じています。

 さて、いろいろ選べる声色の中で、ぼくは比較的スタンダードなBruceの声を愛用しています。やや低めの落ち着いた感じの男性の声です。でも、この声どっかで聞き覚えがあるんだよなぁ。

 あ、Radioheadのアルバム"OK Computer"の中の"Fitter Happier"って曲でサンプリングされてるあの声だ!なんか不気味にぶつぶつつぶやいてたよなぁ。

 あのアルバムはもう10年以上前の作品だから、TTSソフトのレベルも今ほどではなかったと思いますし、あの曲ではそういう無機質な感じをわざと演出してたとも思うんだけど、声がどことなくBruceっぽい。あとで同じセリフを打ち込んでみて、うちのMacにもしゃべらせてみようっと。