ディクトグロスもどきに初挑戦

 昨日は私立高校入試の中心日だったので、通常の授業は足踏み。残ったメンバーだけでできる、復習的な活動をしようと「ディクトグロス」もどきに挑戦しました。といっても、ちゃんとしたディクトグロスは未体験なので、ALTと相談して、自分たちの生徒ができそうなレベルに合わせて、しかもジグソー的な仕組みを取り入れてやってみることにしました。

 まず4人組をつくり、順番を決めさせます。1人ずつ別室に行き、ALTが読み上げる英文を聞いてきます。生徒はメモを取ってもOKです。

 戻ってきた生徒は残りの3人に聞いてきた話を日本語or英語で伝えながら、みんなで協力して英文を再生します。内容がだいたい一致していれば、ALTが話したのとまったく同じ表現でなくてもよいこととしました。

 2分後、次の生徒が別室に行き、先ほどの続きの話を聞いてきます。戻って仲間とシェア。これをもう1回やります。つまり、お話はABC3つのパートに分割して、別の生徒が聞いてきて仲間に伝える形です。

 このあと、4番めの生徒を集めて、もう一度最初のパート(Aパート)を聞かせます。その次は1番めの生徒を集めてBパート、2番めの生徒を集めてCパートを聞かせます。こうすることで、1つのパートを2人の生徒が聞いてくる形になるので、英語が苦手な生徒の不安を解消し、責任を少しだけ分散することができます。

 また、4番めの生徒が別室に行っているあいだに、1〜3番めの生徒は「担当者会議」を開きます。1番目は1番目で(同じ英文を聞いてきた生徒ごとに)集合して、聞いてきた英文の情報をシェアします。この時お互いのメモを持って行ったり、それをメモするのは禁止しました。口頭で情報を共有します。

 初めてやってみましたが、(そして受験のために英語の得意が生徒は抜けていたグループもありましたが)どのグループもよくやっていました。

 課題は、扱った素材です。

 今回は、時期なのであえて2年前の県立入試問題のリスニング問題のスクリプトを使用しました。(活動後に、入試問題であることを伝えました) ちなみにこれです。

 埼玉県公立高校入試問題(2010年)リスニング:問題7

 これが「理解する」ための素材としてはちょうどよかったんですけど、再生して「書く」ための素材としてはちょっと難しすぎたようです。というか、内容はかなりつかめていたんだけど、再生する時間が足りませんでした。1時間の中で「書く」まで持っていくためには、中学生の場合もっと短めの素材じゃないと難しいですね。勉強になりました。

 ただ、この活動のハイライトは最後の5分にありました。

 まだまだ英文は十分に書けてなかったのですが、解答を配布したところ、ものすごく集中して(そしていきいきと)その解答の英文を読んでいるんです。こんなに真剣に(そして楽しそうに)英文を読んでいる姿を見たことはなかったので、びっくりです。「ああ、そうか!」とか「ほら、cookingって言ってたじゃん!」とか、いい声が聞こえてきます。おお。

 「書く」活動ではなく、「読む」&「聞く」活動としてなら、この量でやってみるのもアリかなぁと感じました。これから卒業前の活動として、いくつかアレンジしながらやってみたいです。