中学校の英語の授業だけでここまでしっかりした英語の音が身につくんだ、という歩く事例

 いわゆる英語科指導法の授業を担当して2年目になりました。とはいえ、今年はコロナの影響でオンラインでの授業でスタートしてますので、オンラインでどうやって指導法を指導するかずっと頭を悩ませ続けています。求む、オンライン英語科指導法指導法。

 

 で、その中の1つで昨年までよりよく指導できてるなと思えるのは、音読指導です。昨年も一人ずつ前に出てもらって指定の教科書本文を読んでもらってフィードバックする、というのを「帯活動」として取り組んでましたが、今年はオンラインなのでそれぞれ音読してもらった音声を録音してLMSに提出してもらう仕組みです。これが、とてもよかった。

 

 いや、学生は大変だと思うんですけど、録ったらやっぱり自分で聞くだろうし、提出するとなればもっといいものをと思って、何度も録音にチャレンジしてくれたりします。おかげで、昨年度より音読の質が高まってるのがわかるし、何度も提出し直してくれる学生は、その度によくなっているのが手に取るようにわかります。

 

 人前で読むスキルも大切だし、緊張する中で読むのもよい経験なのだけど、対象は2年生の学生なので今はは音を整えることを優先するとしたら、個別に録音する仕組みのほうが指導が届く感じがします。

 

 実は(恐ろしいことに)先週から対面授業が始まっているのですが、音声課題に関しては、もうしばらくオンラインで提出してもらう形にしようと思ってます。

 

 最初に音読の課題を出したときに、とてもクリアな音で読んでいる学生がいました。ネイティブっぽいとかではないんだけど、強弱も適切で、とても聞きやすい。内容語と機能語の話も学生にするのだけど、その前からその区別がおそらく習慣的にしっかりできている感じなんですよね。私が指導したいと思うポイントをことごとく抑えてるんです。

 

 不思議に思ってたら、今日の対面授業後にお話を聞いて謎が解けました。その学生さん、中学校時代に私の知り合いの英語の先生に教わってたみたいなんです。2人の先生に教わったそうですが、どちらもとても力のある若い先生。一人は初任の時の教え子にあたるようで、その先生も「家元」門下生だから、私からみたら「姪っ子弟子」って感じですかね。

 

 留学経験も特になく、音声に関しては中学校の英語の授業での音読指導がそのほとんどのようです。ああ、中学校の授業で誰に教わるかでこんなに変わってしまうんだなぁ、中学校の授業すごいなぁ、と結果として「英語科指導法」の授業として一番伝えたいことが炙り出される結果に。

 

 同様に、多くの学生が教育実習生として全国の学校でお世話になることになるので、「大学で誰に教わったの?」という言葉がいい意味で言ってもらえるように、学生たちへの指導を私も頑張らなくては、と改めて思いました。

 

英語コミュニケーションの基礎を作る音読指導

英語コミュニケーションの基礎を作る音読指導

  • 作者:土屋 澄男
  • 発売日: 2004/05/01
  • メディア: 単行本
 

 

 しっかりした音声を身につけたいという学生たちに紹介した参考書籍。