あの花

 映画やアニメは、やっぱりオリジナル作品がいいなぁ。

 最近はマンガがちょっとヒットするとすぐに→アニメ化→実写化→映画化みたいな流れが多くて、個人的には残念です。小説も、話題作はすぐ映画化されちゃいますね。

 マーケティング的な世界では当然の流れなんでしょうけど、やっぱり筋を知っている映画は純粋に楽しめないなぁ。映画版はエンディングが違います、みたいなのも別の意味で残念だし。ということで映画やアニメは、どうしても「描きおろし作品」を待望してしまいます。

 たいていの場合、小説読んでから映画を見ると残念な気持ちになるので、どっちかで楽しむようにしています。小説を読まずに見れば、映画だってじゅうぶん楽しめるでしょうから。そんなわけで、「告白」や「悪人」、そして最近では「プリンセス・トヨトミ」も小説のほうで楽しませていただきました。それぞれ面白かったです。でもたぶん、映画は見ないと思います。「ノルウェイの森」も意地張って観に行かなかったし。

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

 一方で、映画見てから小説っていう手もあるんだけど、それはあまり試したことないんですよね。どんな感じなんだろう?

 で、そんなこだわりを満たしてくれる作品としては、最近ではフジテレビの深夜枠「ノイタミナ」で放送中の「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」が素敵です。完全書き下ろしのアニメ作品です。「シックス・センス」と「20世紀少年」を混ぜあわせたような不思議なお話ですが、どうにも切ない展開で、毎回思わずほろりとしてしまいます。

 舞台が埼玉県秩父市で、秩父の街並みや山並みが綺麗に描かれてて、そういうの眺めてるだけでも楽しいです。札所がまさに舞台だったりします。こういう地域とコラボしたアニメ作品も増えててよく話題になるけど、こちらも別の意味で「巡礼地」になりそうな予感。(と思ったら、すでに「巡礼」してる人もw)

 ちなみに主人公が通う学校のモデルは実在する秩父第一中学校のようです。友人が勤めてる学校ですけど、少し前に建て替えたばかりで、異様にハイカラな作りなんです。作品中でもちらりと映ります。

 まもなく最終回。終わっちゃうのは寂しいけど、ヒットしたからって引っ張らないで、潔く終わってほしいな。続編とか、映画化とか、要らないので、そのエネルギーをまた次の「別の作品」に注ぎこんでくれることを期待します。
#本日のBGM:青い栞 / Galileo Galilei

青い栞

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