日本のコピーベスト500

 ここんとこなんとなく「ことば」に意識が向いているので、こんな本を買ってみました。

日本のコピーベスト500

日本のコピーベスト500

 いや、おもしろいです。日本の最前線で活躍する広告クリエイター10人が選んだ名作コピー500選。

 その前にSKAT(SENDENKAIGI AWARD TEXT:宣伝会議のコピーコンテスト入賞作品集)も立ち読みしてみたけど、やっぱり全然違う。SKATにに載っているのは、入賞作品でさえ「コピーのためのコピー」って感じてしまう。うまいこと言ってるけど、それだけ。

SKAT.10 SENDENKAIGI AWARD TEXT

SKAT.10 SENDENKAIGI AWARD TEXT

 それに対して、『日本のコピーベスト500』に載っている作品たちは、「ことば」の「向こう側」が見えます。「商品」も思い浮かぶけど、さらに「その商品がある生活」が映るんです。プロってすごいなぁ。

 ベストセレクションなんですから、これらが質的にレベルが高いのは当然です。それ以上に、これらは実際に使われたコピーであり、TVや新聞などを通して文字や音ですでにぼくたちが接してきたものだから、ことばに「当時の自分」が感じた空気や音、においが自然と重なってしまうんでしょうですね。だから、強い。

 さて、「ことば」そのものにフォーカスしてパラパラとめくってみて共通して感じたのは、「短い」「ひらがなの使い方が印象的」ってところかな。デザイン的に見ても、純粋にタイポグラフィーそのものも美しいです。楽しいなぁ。自分の中のことばの感覚を刺激するために、お勉強に疲れたら時々パラパラめくってみようと思います。

 そういえば、この本を探して本屋さんを巡ってて思ったんだけど、(この本もそうですが)最近は「日の丸」を全面的にフィーチャーした装丁の本がすごく多いですね。「日の丸」をそのまま使ってなくても、赤と白を印象的に組み合わせたデザインが目立ちます。まぁそれだけ多いとむしろ目立たないけど(笑) そういう時期、そういう時代なんだな、と改めて感じました。