「be動詞はイコール」説と「意味順」指導

 補習やら三者面談やら部活やらスピーチ指導やら出張やらで、学期中より忙しい気もする夏休み。実際、少しでも涼しいうちに練習しようと朝早い時間から部活やってるから、学期中より早い時間に学校にいたりします。その措置が意味ないくらい朝から暑いんですけどね。それでも学期中よりは早めに帰宅できる日もあるし、土日もある程度確保できるのでありがたいかな。(とはいえ計画の段階では与えられた休みがすべて消化できてないんですけどね…)

 さて、補習をやりながら考えたこと。

 文法のお話なのであまり突っ込んで語れない上に、いつもながら書きながら考えてますので、まとまってません。予めご了承下さい。

 今回は英語の苦手な人向けに3コマ実施しました。内容は一般動詞とbe動詞の違い、というか、それぞれで言えることについて。とにかくAre you watch soccer?的なものを撲滅したいな、と。あわせて疑問文や否定文の作り方も整理しておこうという内容です。日頃から言っている「意味順」も関連させて、「ほとんどが『する・です』の部分が変化するだけだよ」というお話も。

 ただ、この「動詞」の捉え方と「意味順」における「する・です」の扱いには、微妙なズレがあるので、補習の準備をしながらあれこれ考えてしまいました。

 これまで分かりやすさを重視して、be動詞を「=(イコール)」と説明することもありました。進行形なんかでも、He is sleeping.みたいなのを「彼=寝ている状態」と解釈していたわけで、現在分詞を動詞とは見なさずに補語のように捉えてました。だから、He is reading a book.であれば、reading a bookをひとかたまりと考え、説明していました。

He is reading a book
本を読んでいる、という状態

 しかし、「意味順」をベースに指導をすると、is readingが「する・です」に入り、a bookは「なに」に収まります。

He is reading   a book    
だれが する・です だれ なに どこ いつ

 「意味順」では動詞を中心としたまとまりをひとつに収めているので、ほとんどの文法項目における形式の変化が、この「する・です」ボックス内で起きることになり、羅列的に様々な文法項目を学んでいく学習者にとって、今何を(どこを)学んでいるのかを整理しやすいという利点があります。

 「be動詞はイコール説」が動詞の分類だけを目的としていて、その他の構成要素についてはあまり気が回っていないのに対し、「意味順」は文全体の構成を整理することを目的としています。そういう成り立ちの違いから、「be動詞はイコール」説と「意味順」指導はあまり相性がよくないかもしれません。生徒に「わかりやすいから」とどちらも(無自覚に)生徒に与えていると、混乱してしまう状況も考えられるので注意が必要ですね。

 このbe動詞の扱いについては、言語学などの世界ではいろいろな分類や解釈が存在し、それぞれに妥当な理由があるのだと思いますが、私がこだわっているのはあくまで初学者である中学生に説明するのに何が一番しっくりくるのか、ということです。たったひとつの説明がすべての現象を説明することはないでしょうから、初学者への(時には「やさしい嘘」となるにしても)説明としてどれが適切か、を考えているわけです。自分のその後の指導との整合性が重要かなぁと思いますので、3年間を見通した設計が必要になりますね。

 文法指導の在り方については、ちょうど先週届いたこの本も読み始めたところだったので、自分の中ではいろいろシンクロしています。もう少し、あれこれ考えてみようと思います。

学習英文法を見直したい

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