僕らの出会いを、誰かが別れと呼んでも

 本日は合唱コンクールでした。

 これまで合唱ネタの記事を書いた時に何度も「いつかは自分のクラスに歌って欲しい曲」として挙げてきた「虹」を、ついに今年はうちのクラスが歌ってくれました。まず、選曲の段階で、この曲を選んでくれたみんなに感謝です。

 3年生は歌詞解釈講座と連動した特活や道徳が楽しいので、今年はこの曲の意味をみんなで考えることができてすごく楽しかったです。「僕」と「君」の関係や、「虹」が表していることの意味を一緒に考えていくと、もうすぐ離れ離れになってしまう中3の生徒たちにとって、この歌の主人公は未来の自分であり、その未来の自分が振り返って脳裏に思い描く「きらめく日々」は、今この瞬間なんだと気づいてもらえたかなぁと思います。

 その甲斐もあって、「出会いと別れ」「喜びと悲しみ」のあいだにある「束の間という時」を惜しむように、一日一日一生懸命に練習してきてくれました。少し前にクラス内でいろいろあったときには、曲名にちなんで"No Rain, No Rainbow"なんてことばもクラスに紹介しましたが、みんなすごく気に入ってくれたみたいで、こうやって「ことば」が誰かを動かしたり、励ましたりできることを実感してもらえたなら「ことばのセンセ」としては嬉しい限りです。

 中3ではいつも歌詞にちなんで「何か」をつくるのが好きなんですけど、今年はそのまんま「虹」を教室に架けてみました。虹色に印刷した短冊にそれぞれの想いを綴り、少しずつずらして貼りあわせていくと、こんな感じで虹ができます。

 さて、クラス練習では相変わらず、いろんなところで歌ってもらいました。ある時は、部室棟の2階で、

またある時は、校庭の真ん中で、

「母なる大地」や「遠い空」を体で感じながら、歌ってもらいました。みんな気持ちよさそうに歌ってました。

 このいろんなところで歌うのには、よい効果があると思っています。まず何週間も密室の教室で練習していると息も詰まるから、外で歌うのはいい気分転換になります。なかなかテンションの上がらない時は「全クラスとゲリラ交流会だ。おまえらの歌でベランダを鈴なりにしてやれ」と発破をかけてがんばらせちゃうこともできます。また、ピアノなしのアカペラで歌う機会を意図的に設定して、自分たちの音をしっかり聞きながら歌う時間を作れます。特に部室棟の2Fというのは、屋根があるからか外の割に声が響いて聞こえるので、生徒も自信を持って歌えるようになるので結構オススメです。

 そんなこんなで迎えた合唱コンクール当日。

 結果は銀賞でした。3年生はどこもよくがんばってて上手だったので、その中でなんとか賞がいただけたことはもちろん嬉しいんですけど、前日の段階ですごくよい雰囲気で練習に取り組めていたので、その様子を見ているだけで担任としては実はじーんと来てたりしたんですけどね。

 来月の町内音楽会にも参加できることになりましたので、また彼らの「虹」が聞けるのが楽しみです。