英語教育2.0

 あの安河内哲也センセが「東洋経済ONLINE」で連載を始めたようです。その名も、

 ということで、カブりましたねw

 まぁ第1回目を読む限りでは、TOEICのリスニング&リーディング偏重を改め、スピーキング&ライティングに力入れようよ、という中学校教師から見れば比較的「ふつう」の英語教育論でした。それこそ前学習集指導要領でさえそんなことを目指していたわけですから。彼の目指す「英語教育2.0」はそれだけではないでしょうから、次回からの連載を楽しみにしてみようと思います。

 さて、ぼくがこのブログに「英語教育2.0」と名付けたのは2005年の11月。ちょうど7年前になります。ぼくが意識したのは「Web 2.0」という言葉。ちょうどGoogleAmazonといった会社やサービスが話題になった当時、無名の個人がつながって「集合知」を生み出していくことができる枠組みを、英語教育の世界でも作れないか、と思ったからです。

 当時は少なかった英語教師のブログも、今ではたくさん存在しています。そいういうこともあって、そんなブログがゆるやかにつながっていく仕組みとして「ブログ一斉更新企画」を始めたりしたわけです。こうやってただ蓄積されていく「知の集まり」をどう意味ある形に切り取って、どう活用していくかは、閲覧者次第なんだと思います。

 もうひとつ、ぼくが2.0という言葉に込めたのは、「生徒同士の関わり」への思いです。安河内センセがスピーキングやライティングに力を入れることを2.0と呼ぶのだとすると、そこは重なるのかも知れませんが、ぼくの場合はむしろその「発話」や「作文」を受け取る側に関心があります。

 外国語学習の本来の意義からすれば、学習者から発された英語が向かうべきは「教室の外の誰か」であるべきなのでしょうが、学校教師の場合、どうしても「同じ教室で学ぶ友達」がそれをどう受け容れるか、ということにすごく興味があります。というかむしろ、それを前提に「活動」を考えてしまいます。そんな中から生まれたのが、「ポケモン☆ライテイング」であり「COSMOS」なんですよね。

 もともとこうやって生徒同士が関わりあう授業には興味がありました。自分としては自然にそういうものを取り入れてきたつもりです。大学院での研修後、以前よりトレーニング色が強い授業にはなりましたが、なんだかんだで、肝となる活動はそんなものが多い気がします。

 とはいえ、昨日見てきた「学びの共同体」の実践は、いまいちピンとこなかったんですよねぇ。たぶん参観を通して改めて、生徒を動かしているのは「システム」じゃなくて「教師」なんだよな、と感じたからだと思います。机の向きとか、発問の方法とか、研究協議の持ち方だとか、「システム」を統一することにだけに張り切ってしまうと、肝心の「教師」が機能しなくなっちゃう、ということもあります。学校単位で取り組む「研修」ではありがちな光景でもあるので、今年研修主任の大役を仰せつかっている身としては、気をつけたいと思います。

 ああ、そうだ、協同学習といえばこんな本も出たんだった。まだ買ってなかった。こちらはこの冬の課題図書にしてみます。

協同学習を取り入れた英語授業のすすめ (英語教育21世紀叢書)

協同学習を取り入れた英語授業のすすめ (英語教育21世紀叢書)