大修館『英語教育』2020年5月号が発売になりました。今月の「これって本当に必要?指導の当たり前を疑う」コーナーでは、「ノートづくり」を斬ります。
ここでいう「ノートづくり」とは、ノートの左側に英文を写して、単語の意味調べ書いて、右側ページに日本語訳と重要ポイントのまとめ(板書)を書き写す、というタイプの伝統的なアノ「ノートづくり」です。
あれ、意味あるんですかね?というお話を書きました。
ここでいうノートの扱いは、生徒にどんな家庭学習を要求するか、ということとも繋がります。だから突っ込もうと思ったら結構盛りだくさんになっちゃうので、1ページに収めて書くの大変でした。
何年か前に某研究発表で、「学習者が実際に家でどんなことをしているか」を聞き取っていくと、何十年も前から同じようなことをやってて全然変わってないことがわかった、みたいなお話を聞きました。ぼくが一番興味深かったのは、実際に当時研究に携わった大学の先生方は、実はそういう典型的な日本の中学生の学習過程を通ってきてなかったりして、「ノートづくり?何それ?」みたいな認識だったりしたことです。
だから、別にそんなノートの使い方をどう指導するかなんてことは大学の教科教育法の授業では全然触れなくてSLAの話とかばっかりやっちゃうんだけど、そんな大学を卒業した学生が教師になったときに、目の前の生徒に具体的に何をやらせるかを指示する段になって、結局自分が「教わってきたように教え」てしまうのだと思います。再生産。
「理論の実践」
「大学と学校現場」
「指導と学習」
「教師と生徒」
「教室と家庭」
それぞれの間にあるギャップにしっかり目を向けながら、そのギャップが必要なものなのかを見極めながら、指導や学習方略を少しずつバージョンアップしていきたいですよね。