俺文庫

 教室の棚に、本を置いています。

 名付けて「俺文庫」。「学級文庫」ではないところがポイントです。

 結局は生徒に読んでもらいたいと思うような本を、自宅の本棚やブック◯フの100円コーナーで見つけては、並べてるだけなんですけど、不思議なことに「学級文庫」と名乗るより「俺文庫」にした方が、生徒たちの関心も高く、何より本を大切に扱ってくれるんです。

 「これは担任の先生個人の所有物である」ということを伝えることで、公共物の中に所有者の顔が見えるようになるからでしょうか。本も「誰かが選んだものである」ということで、そこに願いを見出してくれるのかも知れません。いずれせよ、「学級文庫」と名乗って本を並べていた時と、反応は違うのが面白いです。

 そういう意味では、「俺文庫」を大切にしてくれるからといって、「公共の物を大切にする心」が育つかどうかは微妙です。でも、公共物の中に誰かの顔を感じる経験の中で、身の回りの公共物も同じように大切にしてくれるようになるささやかなきっかけになればいいな、と思っています。