2年生は読み物教材の「泣いた赤鬼」を終え、比較級の導入&練習をやってます。
その「泣いた赤鬼」では、あえて「訳読」に挑戦してもらいました。といっても、ワークシートに穴埋めする「部分訳読」ですが、これまで(少なくとも今年度は)本文をいわゆる「綺麗な日本語」に直すことをしてきませんでしたので、生徒は結構苦労しているようでした。
前のレッスンまではしつこく「意味順!意味順!」って言ってたのに、普通の訳読となると、日本語の語順に直さなければならなくなるので、混乱するんじゃないかな、とも思ったのですが、むしろその混乱の中で、英語と日本語の語順の違いを肌で感じられればいいかなと思って、あえて取り組みました。
訳文のどこに( )があるかによって、それに対応する語句を英文の中のどこに見つければいいかを考えさせました。訳文(日本文)の後半が抜けていればそれはたぶん述語動詞の部分でしょうから、英文では(意味順で言えば)「する・です」に当たるわけで、前半を探さなければなりません。こんな語順の行ったり来たりを体験できたかなと思います。
さて、ワークシートでは、各ページごとに短いライティングにも挑戦してもらっています。といっても、赤鬼の挿絵を載せて、「今の赤鬼の気持ちを英語で書いてみよう」くらいの簡単なもの。あくまでスピーキングの替わりです。
で、生徒の書いたものを読んでいて気になったのは、「名前」そのものを、一人称や二人称の代わりに使ってしまう生徒が、想像以上に多かったことです。
例えば、最後に青鬼に宛てて手紙を書いてみる問題では、
Dear Blue Demon
I'm sad. I want to see Blue Demon again!
みたいな解答が目立ちました。youと書くべきところをBlue Demonと書いてしまうわけです。
このエラーは、会話活動なんかをやっていても、時々見かけるものでした。日本語では「エミはサッカー好きなの?」とエミさんに向かって尋ねることもあるわけで、その感覚のまま使ってしまう生徒が多いのです。なので、授業でも何度か触れてきているポイントです。
今回びっくりしたのは、一人称の I の代わりに Aya のような自分の名前を書いてしまっている生徒がいたことです。これもまぁ、中学生女子は日本語ではよくやる現象ですけど、英語でもそれが表出してたのは初めて見かけたのでびっくりしました。
「三人称」という概念を定着させるのは難しいなぁ、と改めて感じました。
いまさら「泣いた赤鬼」をやっている学校はないかと思いますが、参考までにPDFファイルを置いておきます。何箇所か誤植もありますが、ご容赦を。
英語_2年_泣いた赤鬼.pdf