トップダウンか、ボトムアップか

 特別なことがなくても、日々の授業を記録してくことが大切ですね。ということで、休日モードと学校モードの切替が難しい、連休の谷間の授業をメモメモ。

 2年生はレッスン1Bの内容理解。年度当初の「ALTの春休み」を聞き取る活動からのつながりで、このレッスンはリスニング素材として重点的に扱っています。1Aは特にモノローグだし。できごと(一般動詞)+感想(be動詞)の枠組みで構成されている英文だし、ちょうどいい感じ。ところが1Bは会話文。しかも女性同士というリスニングテスト的にはあまりよろしくない構成。(しかも、教科書がリニューアルされた関係で、まだ声も聞き慣れていない)

 そこで、あえてこのセクションでは、どんな単語が聞き取れたか、をメモすることに。内容を意味ベースでざっくり理解するのとは真逆に、音からアプローチする練習です。そしてやっぱり、こちらのほうが難しい。真面目な子は全部書き取ろうとして追いつかなくなるし、意外と苦手な子のほうが、音の連結をそのまま受け入れて、聞こえたままにカタカナでメモってたりして、面白いです。

 2回聞いたあとに、みんなから挙げてもらった語句を板書。それを見ながらもう1回聞いて加筆。そのメモをもとに、会話の内容を考えます。でも細部から聞いてっても、話の大筋を決定づける肝心のキーワードは黒板に拾われておらず、やはり何かしらの意味処理も同時進行で必要だよなぁ、という当たり前のことに気づく機会に。

 その後開本して、黒板のメモと実際の英文を比較し、細かな修正。excitingだと思っていたのがexcitedだったりとこちらも発見もいっぱい。これも、主語がヒトかモノで変わるから、文脈から推測可能なんだよ、というお話。

 そして、最後に本文を見ながらもう1回聞いた後、ALTから英語で内容に関するQ&Aという流れです。1Aと1Bで両面から異なるアプローチを体験したことで、聞き取るってどういうことなにかを考えてもらえていれば嬉しいです。

 私は、リスニング指導の際にも「意味順」を何度も持ち出しています。TokyoとかSumo wrestlerなんていう「だれ・なに」に入る名詞は聞き取りやすいけど、「で、それらをどうしたの?」と問い、その直前にある「する・です」(動詞)に注目させます。また、big、tall、excitingなんて形容詞が拾われてくれば、「何が?誰が?」と「だれが」を確認させます。

 いずれにしてもキャッチ出来たキーワードより前に登場する語に注意をしなければならないので、結構難しいです。でもそこが拾えないと、いつまでも語レベルでの理解にとどまって、文レベル、段落レベルまで進めないですよね。文の頭から出てきた順番に理解する習慣をつける意味でも、「意味順」をさらに推していこうと思っています。今年採用した「意味順ノートワイド」に、聞き取った語をメモさせていくのも面白いかも!