叱らなくても廊下に座らなくなるハック

 いや、ハックというほどのネタでもないんですけど。

 そしてうちの生徒たちに「廊下に座っちゃう」という悪癖があったことを知らしめてしまう記事で残念なんですけど、昨年度1年生の頃は、休み時間になると廊下に座り込んでしまう生徒がチラホラいて、「ほら、踏んじゃうぞ〜」とか言って小まめに指導してました。で、今年度になったらまったく見かけなくなったので、これは何が変わったのかな、と考えていたんだけど、(もちろん生徒たち自身が成長したのもあるけど)もしかしたらこれかも、という工夫をひとつご紹介。

 廊下に机とイス、置きました。

 これだけです。いや、ホントに。こちらとしては、生徒たちが自然に団欒する場所があちこちにあったらいいな、と思って置いてみたわけですが、生徒も結構使ってくれていて、その結果なのか、廊下に座り込む生徒がいなくなりました。ゼロです。

 座って話したい生徒はここを利用すればいいわけだし、机があることで、廊下に座ったときに(机のところに座っている生徒からも見下されるので)相対的に自分たちのいる場所が「地面である」ということを認識できるんじゃないかな、と思います。

 せっかくなので「カフェ」と名付けて、他の場所にも「2号店」「3号店」を「出店」しています。集まってお話している女子もいれば、手作りのカードゲームに興じる男子の姿もあり、テスト前にはカフェで勉強している子たちもいます。先生方も、空き時間や休み時間にここでノートをチェックしたり、コメント書いたりしています。自然な形で教室の様子も伺えるので、なかなか好評です。

 すべての生徒が教室に必ずしも仲良しの友達がいるわけでもないだろうから、教室以外にも「居場所」があってほしいな、と思って作ったカフェ。そのことが、教室での新しい人間関係づくりを阻害してしまったら嫌だな、とも心配したけど、むしろカフェに教師が座ってたりすると、そこにいくつかのグループが集まってくれて、グループを超えたやりとりを促す「ハブ」として機能しているようにも思います。

 ということで、表題の「廊下に座らなくなる」よりも、生徒のコミュニティーづくりの一手として役立っているカフェ。1学期はホワイトボードに毎日1題ずつなぞなぞを書いておいたり、最近は隣に進路コーナーを作って高校のパンフレットを並べておいたり、人が集まって、会話が生まれるような刺激を定期的に提供するようにしています。

 担任を持たなくなって教室がない私にとっては、大切な「居場所」だったりして、実は私が一番利用してたりするかも(笑)

(12/19 追記)

 さて、この記事を公開したところ、「消防法上、この位置はまずいんじゃない?」というご指摘もいただきました。避難経路や防火扉には影響のないところに置いてはいますが、確かに微妙な位置かもしれない。ということで、今朝さっそく1店舗移転しました。

 窓際に机を置くと、万が一生徒が乗って窓から落ちたりしたら大変、とかいろんな心配もありますので、設置を検討される場合は、管理職などにもご相談いただくとよいかも知れませんね。(私は一応最初にご許可をいただいています)

 という蛇足でした。