スクール・プランニングノートでお世話になっている学事出版さんが、英語授業に関する書籍を発刊されました。その名も「ラクイチ授業プラン」ということで、「ラクに楽しく1時間」というコンセプトです。「急に授業の代行をお願いされた」「テスト前、授業数を調整したい」なんて時に役立つ、準備の要らない授業プランが収められています。国語、社会で先行して出されていた「ラクイチ」シリーズの第3弾ということで、英語版の登場です。
ワークシートもダウンロードしてすぐ使えるということで、忙しい教師を助ける1冊になると思います。そういう意味では、スクール・プランニングノートを通して教師の働き方を考えてくれている出版社さんらしい企画ですね。編集部様よりご恵投いただきましたので、率直にレビューを書かせていただきます。
- 作者: ラクイチ授業研究会
- 出版社/メーカー: 学事出版
- 発売日: 2018/03/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ただ、「助動詞」「There is」などその学年で教えるべき文法項目を素材(ソフト)のキーワードに入れてしまったのは、惜しい感じがします。その活動で練習できる文法項目が示されていることで、実質的に「この文法を教える時に使いたいアイディア」になってしまっていて、せっかく面白い活動が紹介されているから時間調整でどこかのクラスだけでやるのはもったいない感じがするからです。
もちろん、アレンジをすれば他の学年でも使えそうな汎用性の高い活動もたくさん紹介されています。だから文法項目や対象学年は別にキーワードとして提示しておいて、こういう文法項目(学年)を指導する際に使えるということを示しておけばよかったかな、と思います。
ラクイチ、と銘打ってはいますが、そういった文法項目(学年)しばりがあるために、ある程度ワークシートや指導が必要になると思います。本当の意味でラクイチということであれば、もっとシンプルにA4の紙1枚配ればできる活動などが望ましい気もします。ワークシート印刷している暇もない緊急事態も(あまりあっても困るのですが)それなりにありますもんね。
私のブログで紹介している中では、
「24マスライティング」
「誰かへの挑戦状」
「アムニージアック」
「クラス全員に聞きました」
「VSビンゴ」
あたりが、ラクイチと言えそうな活動でしょうか。
あとは、学期に1回くらいやっているド定番のPictionaryも白紙を持っていくだけで盛り上がるのでラクイチですね。「前にやったアレね」というだけで、ルール説明無しで何回でもできちゃう(しかもその段階に応じてレベルを上げられる)というのが理想ですね。そういう意味では、ディクトグロスとかフォー・コーナーズなんかもそうで、ラクイチって、自然に所謂「アクティブ・ラーニング」になっていくものですね。ちなみに本書ではこのブログで紹介している活動も載せてくださっていますので、よかったら探してみてくださいね。
さて、前述のソフト×ハードという考え方は、とても興味深いです。授業アイディアを考える時に、こうやってあえて手段から発想を広げていくことを、私はよくやります。「比較級を教える」という目的からではなく、「回し読み」という学習活動(ハード)を使って過去形を面白く教えられないかな、みたいな発想法です。
本書では、そんな先生方のアイディア発想を促進しようと、本書で登場するソフトやハードのキーワードが切り取って使えるカードとして付録になっています。これは面白いですね。しかも他のラクイチ本(国語・社会)にもこのカードがついてるようですので、教科の枠を超えてアクティブ・ラーニングの研修会なんかも開催できてしまうかも。
というわけで、新年度のスタートに向けて、新しい書籍のご紹介でした。私も春休みにいろいろ読んでみて、勉強してみようと思います。面白そうな新刊がありましたら、どうぞ教えて下さいね。