さて、音声の全体練習と文字の個人練習が終わったら、いよいよ単語テストでつづりの定着度合いをチェックします。
私も以前はレッスン中の各ページごとに単語テストをやってましたけど、それだと毎回5〜8個くらいの単語を覚えてくればよいので、テスト前の休み時間にちょっと練習してなんとか乗り切って、テストが終わったら忘れちゃう、という生徒も結構いたと思います。
そんな時に福島の畏友・松本先生に教わったのが、こちらのアイディア。
元は今年から岐阜大学に移られた瀧沢先生の実践のようで、こちらの書籍に載ってるようです。私とはやり方が違う部分もあると思うので、詳しくはぜひ原典をご確認ください。
続・中学英語50点以下の生徒に挑む―生徒の学力を向上させる教師の9つの習慣 (21世紀型授業づくり 111)
- 作者: 瀧沢広人
- 出版社/メーカー: 明治図書出版
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 単行本
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ということで、ワークシートには左から「5問テスト」「10問テスト」「20問テスト」「25問テスト」と4回分のテスト用紙が印刷されています。ちなみにこれは、前回ご紹介した練習ワークシートの裏面に印刷しています。だから、ひっくり返せばいつでもテストができます。
前回の記事で1回めは読み方の確認、2回めは読み方と音節、3回めは音節と日本語→英語と段階的に練習を積むとご紹介しましたが、その流れだと5回めくらいから単語テストに入ります。最初は5問テストに全員で挑戦します。25語のうち、どの語を書いてもいいことになっています。ただし、6問以上解答するのはダメ。自信のある5問だけ挑戦します。
5問テストだと配点が1問20点ですので、5問正解なら計100点になります。「5点」と「100点」で、気分もずいぶん違うようで、生徒たちも嬉しそうです。「帰って100点の答案をおうちの人に自慢しなさい」と言っています。100点は100点ですから。
で、次の授業では10問テスト。その後、20問、25問と問題数を増やしてきます。この方式なら、前回書けた語にプラスして何語かだけ練習してくればいいので負担もちょうどよいですし、何回も同じ単語を書く機会が作れるのでより定着が期待できます。練習する語を自分で選ぶという「自己選択」の機会があるのも、生徒のやる気を引き出す上で大切なことだとと思います。
基本的には生徒が自己採点して、記録用紙に得点を記録させていますが、25問のときだけ回収してこちらで採点するなど、やり方はいろいろ工夫できそうですね。何個書いてもよいルールにするのもありでしょうし、どのコースからやってもよい(みんながそれぞれ違うコースをやっている)というのも面白いです。そもそも、1問コースから設定するのもアリですね。
「どんなデートを重ねたか」という意味では、こうして(もちろんテストに限らず)何度も同じ語彙にふれる機会を作ることが大切ですね。そういう工夫を自分の授業に取り入れることができて、本当に感謝しています。
ということで、教科書の新出単語は1レッスン分まとめて扱おう! と銘打って書いてきた語彙指導シリーズもとりあえずこれで完結。もちろん、他の語彙に関する活動が何か思い出したら、また書いてみますね。みなさんの実践事例も、ぜひお聞かせください。