3年生の英語科指導法は、後半に取り組む模擬授業の準備中。人数的に、全員に50分ずつやってもらう余裕はないので、今期は1人10分。でもそれだけじゃ面白くないので、それを5人でつないで1つの「50分授業」にすることにしました。
時間的な制約から始めてみたことですが、これがすごく面白い。5人で扱う単元を選び、目標を設定し、メインの活動を定め、そのメインを引き立てる帯活動や導入やまとめを考える。結果として1時間の授業の流れを、5人の目で深めることができて、すごくいいんです。
1人ずつバラバラの模擬授業を見ても、指示・発問・説明といった基本的なスキルを指導することはできますが、あまり積み重ねがありません。それだったら、きちんと与えられた時間内にやりたいことをやる、という経験を積む方が教育実習に行った時に役立つかな、とも思うんです。自分が時間をオーバーすると、他の人の時間が減るor授業時間をオーバーする、になりますから、いいプレッシャーになります。
実際、私は実習生を指導する際は、まずは10分〜15分で自己紹介+αの活動を計画して、実施してもらってました。まずはこの10分がスムーズに回せるようになること。それができないのに50分なんて考えられないですよね。
学生に示した模擬授業の評価の観点は、大きく分けて「授業デザイン」に関することと「授業マネジメント」に関することの2つです。
「授業デザイン」は指導案(私の授業ではA4一枚の「れっすん・れしぴ)を書いた時点で勝負がほぼ決まってしまいます。目標と活動がつながっているか。授業内の5つの活動のつながりや4技能バランス。(ただし、単元計画である程度バランスを取っていれば、1授業で多少偏っていてもOK)
「授業マネジメント」では、何と言っても英語、日本語を問わず、指示の明確さ。活動量の確保(のために、説明をシンプルで短くできるか)といったところ。
「授業デザイン」については、これまでにも目標から逆算して活動を考える練習をしているので、それぞれよく練られているんだけど、授業内の活動のつながりやバランスは今回初めて向き合っているので、なかなか苦労しているようです。でも単元や活動によって順番を入れ替えたり、導入枠の役割を変更したり、自分の頭で考えてる様子が伝わってきて嬉しい限りです。「10年に一度変わってしまう学習指導要領を暗記するより、この先40年使う自分の頭を鍛えよう」が合言葉です。
ある学生は「5人それぞれが別々の英語学習を経てきていて、別々の経験や考え方を持つ中で、1つの目標を持って授業を考えるのは難しい」というコメントを書いていました。プロセスをメタに考えられていますよね。また別の学生は「この経験は(現場で)他の先生たちと考えをすり合わせる作業をするときに役立ちそう」と書いていて、感心するばかり。自分の頭、使ってるなぁ。
とりあえず次回には単元計画まで書けるようになっている改訂版「れっすんれしぴ」を仕上げて、実際に実演の練習→リハーサルに取り組みます。実際に声を出してみて、それぞれのテンションやキャラを理解していないと、当日のリレーは難しいでしょうから。ということで、来週の授業時間のために中学校サイズの黒板と生徒机が並んでいる教職センターの模擬授業教室を3部屋押さえちゃいました(笑) 模擬授業が楽しみです。