はじめての「第二言語習得理論」入門

 今週は、研究日に勤務地近くの私立高校に「出前講義」に行ってきました。大学としては広報活動の一環ではありますが、高校さんの方もたくさんの大学や専門学校等を集めての進路行事の一つのようで、規模も大きいので間に業者が入っててびっくり。なるほど、いろんなお仕事があるものです。

 さて、私の方は教育学部を代表してお呼ばれしてますので、普段持っている「第二言語習得理論」の入門編といった内容でお話してきました。

 対象の生徒さんが高校二年生だったので、最初に大学入試を巡るドタバタについてなぜか私が謝罪した上で、「ちゃんとこういう理論をわかっている人たちに、未来の教育の方向性を考えてほしいよね」とか「何も考えずにただ教わるんじゃなくて、みんなもちゃんと知っておこう」みたいなお話からスタート。ついでに共通テストの記述式を利用しない本学の入試制度もちゃっかり宣伝(笑)

 今回は50分授業で入門的なお話、ということだったので、前半は第1言語におけるインプットのお話。後半は第二言語の語彙習得を巡るいくつかのお話。先日某所でご一緒させていただいたばかりの中田先生のご著書から、いくつか研究をご紹介させていただきました。

英単語学習の科学

英単語学習の科学

 

  この本、すごく面白いので、高校生もいろいろ考えながら聞いてくれました。高校生でも読めると思うので、おすすめです。こういうの読んで、英語教育学を学んでみたい、と思う高校生が1人でも増えてほしいなぁ。その際はぜひ本学へ。(中田先生のいる大学へ行くべきかw)

 高校生にはリアルな「テスト効果」の話なんかをしながらも、でも本当はテストなんかただのツールなんだから、最終的にテストのためじゃなくて自分の目標のためや楽しみのために英語を使えるように英語を勉強して欲しいな、と思いながらお話していました。

 ちなみに大学での授業の方は、英語免許の教職を取っている人に限らず、いろんな方が履修しています。日本語教師の資格を取る人たちもいます。学部も、教育学部だけでなく、外国語学部や文学部の学生さんもいます。なので、テキストは読みやすいこちら。

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)

 
ことばの力学――応用言語学への招待 (岩波新書)

ことばの力学――応用言語学への招待 (岩波新書)

 

 

 後期は履修者が少ないので、それぞれの学生さんに発表してもらったり、話題を広げてもらったりしています。いわゆる講義科目はこれだけなので、まだまだやり方に悩みながらやってますが、いろいろ試しながら、学生さんの声も聞きながら、学びが深まるような授業にしていきたいです。