「英語4技能専門塾」という違和感

 Twitterでは少し前に書いたのですが、ちょっと前に街を歩いていたら、マンションの外壁に貼られた広告、というか看板が目に入りました。


 「英語4 技能専門塾」

 

 4技能専門? なんだろう、この違和感…。

 

 きっと大学入試に民間試験が導入されること(になっていたこと)を受けて、そんなふうに売り出している塾なんだろうな、とは思うのですが、たぶん私が気になるのはその中身より、表現。「4技能専門」?

 

 ふつう、「専門」という言葉は、たくさんあるものの中から何かに特化したときに使いますよね。例えば「腰痛専門の整体院」と言われれば、ふつう整体院が扱う部位はいろいろあるけどここは腰痛のみを扱うんだな、それだけ専門家が診てくれるんだな、と思わせる効果があるわけです。

 

 「4技能専門」というからには、英語のスキルは5種類以上あって、その中で4つに特化した塾ができた、という意味に解釈できます。でも、「4 技能」という言葉は本来「読む」「書く」「聞く」「話す」という4つをバランスよく指導しよう、という意味で使われてきたわけで、むしろ総体を表す言葉だと思うんです。(もちろん、それで全部じゃねぇ!という意見があるかも知れませんが、この塾がそういう考えで「4技能」を謳ってるとは思えません。)

 

 「これまでは読む・書くばっかりだったから、聞く・話すに特化した塾にする」だったら、ある意味「2技能専門塾」だけど、それじゃどの2技能かわからないし、じゃあ「4技能」にすれば全部やるのが伝わるよね、と考えたのでしょうけど、そしたら「専門」は変だよね

 

 まぁ、本当にどうでもいい話なんですけど、私は一応広告とかも好きなので、こういう「売り言葉」もすごく気になるんですよね。もちろん、広告代理店なんかを挟んでるわけでもないでしょうから、これは塾経営者の言葉なわけで、そうなると、「こういう言葉の感覚を持った人が4技能を教えてくれる塾なんだな」と思ってしまうわけです。残念。

 

 そんなことを思ってふとTwitterに書いたりしたわけですが、今日思い立ってその塾の名前で検索してみたら、「(◯◯◯は変わります!」とのことで、今後は共通テストを見越してリーディングとリスニングの2つを中心としたスタイルに(4技能ェ…)、そして(4月から英語が教科化される)小学生を対象とした英検対策コースを新設!とのこと。

 

 いやぁ、いろいろすごいなぁ…。という、本当にどうでもいいお話でした。