1年間の『英語教育』誌連載を完走して

 大修館書店の月刊誌『英語教育』で、一年間連載をさせていただきました。「これって本当に必要?指導の当たり前を疑う」ということで、英語の授業にまつわる、いろんな「当たり前」を見つめ直してもらう企画にしました。

  

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 この一年間で取り上げたのは、以下のような「当たり前」でした。

 

4月号: Repeat after meって必要?
5月号:ノート作りって必要?
6月号:文法事項の導入って必要?
7月号:定期テストって必要?
8月号:宿題って必要?
9月号:単語テストって必要?
10月号:学習指導案って必要?
11月号:フレーズの暗記って必要?
12月号:フラッシュカードって必要?
1月号:「受験対策の授業」って必要?
2月号:入試問題に自己表現って必要?
3月号:習った文法を使わせるのって必要

 

 内容によって、「要らない」「こんな◯◯なら要らない」「やっぱり必要」と、是々非々で様々な結論を提示しましたが、読み手の皆さんによってはそれぞれお考えがあったのではないかと思います。私は不要かなと言っているものでも、きちんと目的を持って意味ある学習に繋がっているのなら、もちろん無駄ではありません。むしろ、そういう実践事例を私は知りたいので、教えたいただきたいです。

 

 今回の連載で共通してこだわった視点は、「生徒が実際に何をしているか」に目を向けてみましょう」ということです。教師の指示でやらせることは本当に意味があるのか、他の方法はないのか考えてみましょうよ、ということです。

 

 生徒は英語以外の勉強もしてますし、授業時間も家庭で学習に使える時間も有限ですから、意味のないことで彼らの時間を奪うことはやめたいですよね。その意味では、宿題の量とかも含めて、他教科の先生にも考えてもらいたいことでもあるので、この記事を他教科の人と共有していただくのもアリかなと思います。

 

 そもそも、同僚のやっている「当たり前」に疑義を呈するのはハードルが高いですよね。そういうときは、この連載記事をコピーしてそっと職員室に落としていくのがいいかも知れません(笑)

 

 でも本当は、同じ科目を指導する教員同士で腹を割って話し合うことが重要なはずです。「入試が変われば日本の英語授業は変わる」みたいなことがよく言われますが、私は「教員の同僚関係が変われば授業が変わる」と思っていますし、そっちのほうが重要だと思っています。じっくり話し合える時間的余裕と対等に話し合える精神的余裕が担保されないと実現していかないので、文科省にはそっちにこそご支援を賜りたいところです。

 

 また、この連載では2コマ漫画も描かせていただきました。小さい頃から漫画家になるのが夢でしたので、まさかの「月刊誌で漫画を連載」という夢を叶えることができました。文字原稿以上に時間がかかるので大変でしたが、とても楽しかったです。

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 と、1年間の連載を終えての振り返りと御礼の記事になっていますが、実は上の写真の「第12回」というところに「最終回」の文字がないことにお気づきの方もいらっしゃるかと思います。そうなんです。なんと、この連載新年度も継続することになりました! パチパチパチ! 編集部の方々がおっしゃるには結構好評だったみたいなんです。リップサービスかなと思っていましたが、こうして連載が継続させていただけるということは、本当にそれなりご支持はいただけたのだと安心しました。みなさま、本当にありがとうございます。

 

 ということで、新年度も新たにさらに12個の「当たり前」を斬らなければならないわけで、そんなにネタがあるのか、心配でもあります。これはどうよ、というネタがありましたら、ぜひお知らせいただければ、取り上げさせていただきます。Twitterやメール、コメント欄等でお知らせください。ちなみに、4月号の「第13回」は、結構「大きなもの」を斬り捨てる予定なので、どうぞお楽しみに。

 

英語教育 2021年 03 月号 [雑誌]