教材ソフトの対面販売

 よくわからないんだけど(おそらくは自分が中英研の役員に名前が載ってるから)、英語教材・資料などをCD-ROMで販売している営業の人が私のもとに訪れた。全国のとーっても有名な先生方が執筆した理論やワークシートを自由に使えるようです。しかもワード・一太郎ファイルなので、加除修正が自由自在。英語教育関係のサイトへのリンク集もついてくる。なかなか魅力的です。

 でも、資料をパラパラみてるといろんな疑問が…。

  1. そもそもそんなすばらしい商品をどうして広く多くの人に知ってもらって、買ってもらわないんだろう?(「対面販売」によって「一人一人を大切にする」カウンセリング化粧品みたいな商品なのか?)
  2. しかも「県の役員の方々には優先的で」と限定するのはなぜ?(本当にそういう教材を必要としている人たちはむしろ経験が少ない若い先生方じゃない?)
  3. 今時CD-ROM10枚組ってどうよ? ネット上で検索・ダウンロードできるようなサービスだったらすぐにでも買うなぁ。
  4. Windows対応」だそうで。Macユーザーは…?
  5. CD-ROMのバラ売りはないんだぁ。全部買うと15万円近く!?

 以前某会社とネットを使った新たなサービスについていくつかお話をしたときの感触から言えば、これだけのコンテンツがあればかなりいいサービスになる。(=需要がある) 月数百円でダウンロードし放題、コンテンツ続々追加、なんていったらすごいだろうな。(もっともその場合は維持や拡張にコストがかかるけど…) そんな話を営業の方にしてみたところ、

「当社は今ある形(CD-ROM)以外考えてません」
「でもせっかくいいコンテンツがあるんだから、余計なお世話ですが検討してみたらいかがですか?」
「そしたら、我々のような人間はどうなるんでしょうねぇ」
「・・・。」

 そうかぁ。15万円近くする商品のうち、著作権以外に対面販売で売り歩いているセールスマンの取り分があるわけかぁ。(当たり前) でも、それって希少な知的財産をもったいぶって高くつり上げてないか?(だから対面じゃないと困るんだね。利益が分散するから) ぼくがお金を払いたいのは、その「英知」にであって、「システム」にではない。(もちろんシステムに価値があるなら喜んで払おう) 

 iTunes Music Storeの開業で、音楽業界も大きく変わりつつあります。目に見えない「音楽」そのものにお金を払うことはある意味で健全です。もっともそれまで私たちに音楽を届けるために活躍していた「レコード」や「CD」の存在や、それを流通させていた多くの人たちの苦労を忘れてはならないのだろうけど。なんか時代の変化とそれに動かされる人々の影が見え隠れします。

 いずれにせよ、購入は見送りました。中身にはひかれましたが、それってぼくがこのブログでやりたいことと同じだし、ぼくは自分のスタンスでこれを続けていきたいです。