The Best Damn Thing

 栃木県の県立高校の生徒たちが大学見学に来ていました。で、文系・理系に分かれて「体験授業」を受けたんだけど、文系チームが受けたのがなんと家元流プチ音声学入門。これは観ておかなくては、と参観してきました。

 前半は基礎的な子音(f,v,th,r,l)のレッスン。

 いつも通り、おもむろに生徒を指名しながらやらせていきます。緊張しながらもがんばって答える高校生。いつも授業を受けている学部生や院生が後ろで見学してたので、ギャラリーが多くて生徒たちも少しやりにくかったかな。でもEnglish日本語エクササイズでは、不思議な語感に笑みがこぼれます。矢継ぎ早に与えられるタスクの中に、さりげなく封じ手を織り交ぜたり、盛りだくさんながらあっという間の発音クリニック。それにしても引率の先生方が大ウケしてましたね。

 後半は、英語の歌の練習。

 "A Whole New World"かなと思ったら、なんとAvril Lavigneの"The Best Damn Thing"でした。最初にミュージックビデオを見たけど、速くて難しそう。「この曲の1番を歌えるようにして帰ろう」

 プロジェクターで画面左に歌詞、右にビデオを映しながら発音練習。ぼくが普段やってたみたいにリズムに乗っての音読→メロディつけてフレーズ音読と進みますが、ぼくと決定的に違うのが、このあとすぐその段落をビデオと一緒に歌わせちゃうこと。パソコン+ミュージックビデオを使う最大のメリットが、ここにあります。CDだと微妙な巻き戻しが難しいけど、PC上ならスクロールバーで微妙な調整がしやすい。しかもビデオだといちいちタイムをメモっておかなくても「この辺から」ってのが探しやすい。なるほど。こういうのが、本当の意味でのICTの有効活用っていうんだろうなぁ。

 あんなに難しそうに感じたこの曲も、先生とリピートしてから音楽を聴くと、それほど速く感じないから不思議。こういうスタイルに曲の場合、Aメロとかは早口に聞こえるけど、歌である以上ちゃんと韻を踏んだりリズムに乗せてるから、慣れればむしろサビより歌い易い。歌と言うよりチャンツ風だもんね。90年代以降の歌を授業で扱うのは少なめだったけど、英語らしいリンキングとかを体験させるなら、むしろこういう曲の方がメリットありそうですね。これまでの選曲方針を少し見直さねば。

 さて、アヴリルを聞いてると(というかこの曲は特に雰囲気が近いので)どうしても"Girlfriend"を思い出しちゃうんですけど、大騒ぎだったパクり疑惑は、なんだかフェードアウトしちゃったんですね。The Rubinoosの人たち、訴え取り下げてるし。芸能界って、どの世界も怖い怖い…。

 "Complicated"の頃は、もっとロックな路線で行ってくれるかと思ってたのだけど、もう完全にポップに行っちゃったのが、個人的にはちょっと残念。でも確かに「耳に残る」なぁ。お昼ご飯食べながらずっと"The Best Damn Thing"を口ずさんでましたから。

#本日のひと言:「ス」って音が人に聞こえたら間違ってる