耳栓フラッシュ音読!

 今日の授業で音読について考えててふと思ったこと。まぁ、昨日の記事にも関係するんですけど。

 フラッシュ・カードをフラッシュさせて単語の発音練習することに対する疑義については、センセがずいぶん前に書いてました。
  →「フラッシュカードやめろ」(Kyle's Kingdom)
 で、あのフラッシュさせるのが文字認知の速度を速める(のを期待している)のだとすると、フラッシュ・カードで練習した生徒たちのほうが音読がなめらかに(速度が速く)なってるのだろうか。WPM測って比較したら面白いかも。そういう研究ってあるのかな、なんてぼーっと考えてました。ちなみにCiNiiで読めるものにはそれっぽいのがなかったです。

 いや、もちろんただ速く読めれば「なめらか」なわけではないのはわかってるんだけど、中学生くらいの場合の「遅い」は本当に遅すぎるわけで、そういう子への指導は「速すぎる子」に対する指導より深刻な課題だったりするんです。とりあえず、まず文字(単語)をスムーズに音声化できるようにさせてあげたいし。フラッシュさせる練習がそういう子に効くのならいいんだけど、どうなんだろ。

 でも、中学校の教室での指導場面を思い浮かべると、当然教師が全体に向けてカードをフラッシュさせて、全員で発音しています。ということは、すごく苦手な生徒は自力で音声化する前にまわりの子たちの声が聞こえてくるから、それをキューに「瞬間シャドーイング」状態だったりするんじゃないか、なんて思ってしまったのです。つまり、本来のねらいであるはずの「文字を見て瞬時に音声化する」という練習を純粋に積めている生徒は、それほど多くない可能性もあるんです。超積極的な(もしくは超目立ちたがり屋の)生徒が一人教室にいたら、ひとり先に叫んでしまいそうですから、残り全員はその生徒を追ってるだけかもしれないわけです。

 だから、もしもフラッシュさせる練習に意義があるとしても、一斉授業ではなく、個別にやった方が成果があるんじゃないか、と思いました。こちらもデジタル教材なら対応できそうな分野ですね。

 加えて、単語単位ではなくフレーズ単位で瞬間音声化する練習をした方が文章の音読にはより効果が期待できるような気もします。昨日書いてた「広い範囲での文字認知」をトレーニングできるかもしれません。これはやらせたことがないんですけど、プロジェクターを使えばカードを使わなくてもすぐできそうですよね。

 で、やっぱりまわりの声に頼らず「自力で音声化」できるようさせたい、というのであれば、生徒に自分の耳をふさがせて練習させてみてはどうでしょう。もしくはみんなで耳栓(笑) 自分の声は頭の中に響くから自分では確認できるし、まわりの人には聞かれないから安心して声に出せます。教師は巡回しながら気になった音声を出している子に個別に声をかけて指導する。あ、もちろんアドバイスは耳をふさいだ手は外させてからね(笑)

 もしくは、みんなでこれ買うか(笑)

 ふだん何気なく教室でやっている(やらせている)ことも、本当にそれがねらっている力をつけられているのか、もう一度よく考えてみる必要があるなぁとしみじみ思いました。