momonoteで業務日誌をリアルタイムに残す
しっかりと記録しておくことが大切です。
駆け出しの頃に先輩にそう教わりましたが、もともと面倒くさがりな性格で、なかなかマメにメモが取れません。生徒のいいところを発見したらすぐにメモできるように小さいメモ帳をいつも持ち歩くようにしてましたが、紙にメモしたものは検索性が低く、あとで活用しづらいのが難点。スキャンするのも意外に手間だし、データ化するために打ちなおすのも億劫。もちろん、忙しい学校現場での生活の中では、一日をじっくりと振り返ってクラスや生徒個人の様子をジャーナルにまとめて書くような余裕もありません。
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- メディア: オフィス用品
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そんなことができるツールが、momo(momonote)です。
momonote.com(←momoのWebサービストップページへ)
momoは、TwitterとEvernoteを足したようなWeb上のメモサービスで、そのiPhone/iPadアプリ版がmomonoteです。Twitterと違いあくまで非公開ですので、つぶやきはログインした自分にしか見えません。
前述の目的であれば、Evernoteも目的に合ったツールなんですが、個人的にEvernoteには別種類の情報や個人的なデータが集まっているので、できれば業務用は別のサービスがいいと思ってました。またmomonoteは、Twitterライクにつぶやけるので、入力する上での心理的負荷がすごく小さいです。(Evernoteの方がライフログを入力するのに心理的ハードルが高い気がするのは、いちいちタイトルをつけなくてはいけないからだと思います。)
このサービスを選んだ理由は、
- iPhone/iPadアプリがあり、Web版とシンクロする
- 基本的に非公開メモサービスである
- パスワードロックがかけられる
- タグがつけられる
- 写真を貼り付けられる
- 連携すればTwitterなどでシェアもできる
というあたり。個人的にはかなり理想的なツールです。アプリ版は450円しますが、ユニバーサルアプリなので1回購入すればiPadにも勝手にインストールされます。同様のメモ/ジャーナルアプリは他にもいくつかありますが、これらすべてを満たしてるものは今のところ見当たりません。
(↓iTunes AppStoreのmomonoteのページへ)
Web版の画面はこんな感じ。つぶやいたメモにタグが付けられますので、あとから同じタグがついているつぶやきだけ簡単にソートすることができます。
↓メモだけ拡大するとこんな感じ。ちなみにこの記録はフィクションであり、実在する個人、団体等とは一切関係ありません(笑)
これだけ見ると「ひとりTwitterのタイムライン」という趣ですね。もちろん非公開ですけど。こうやって事実を蓄積することで、学校現場では以下のような活用例が考えられるのではないでしょうか。
活用例(1)生徒指導の事実を記録
日々起こるいろんな事件を記録。関係した生徒の名前をタグづけしておく。不登校生徒への対応などでは、具体的な行動(電話した、家庭訪問した)を記録しておくと、あとでいろいろ役立つ。電話したときに(電話しながら)メモしておけば、時間まで記録されるので便利。
活用例(2)生徒のいいところ発見メモ
生徒のいいところを発見したらすぐに記録。メモする余裕がなければ、iPhoneカメラで生徒たちをパチリ。あとで名前をタグづけしておく。ログをまとめて、Wordに貼りつければあっという間に学級通信にもなる。Twitterなどで発信することも可能。
活用例(3)校務分掌の行動記録を簡単に引き継げる
担当する校務分掌ごとにタグをつけて、やった仕事をその都度メモしておけば、年度末に分掌ごとに書き出すだけで引継ぎ資料完成。次年度の担当者に渡せば、いつ頃どんな仕事をしていたのかが一目瞭然。自分が同じ分掌を再び担当する際にも、昨年度の記録を参考にさらに効率よくお仕事ができる。
活用例(5)生徒とのかかわり度チェックに
どうしても記録に残る(記憶に残る)生徒は、何人かの元気のいい生徒に偏りがち。アプリ版ではタグごとに(つまり生徒名ごとに)書かれたメモの件数も表示されるので、あまりメモされていない生徒も一目でわかる。定期的にメモ数をチェックして、教師から意識してそういう生徒とかかわるようにすることもできる。
情報を蓄積するだけでなく、情報を活用するために便利なツールです。
非公開アプリとはいえ、ネット上に個人情報になりそうなものを置くのは不安だ、というご意見もありそうですが、個人的には紙に書いたメモがどっかに行ってしまう不安のほうがよっぽど強いです。年度末にちゃんと処分したかも確認できませんし。企業だって企業内のクラウドサービスに機密情報を共有してるでしょうから、学校で扱われる情報もそういう場所で管理していく時代になっていくべきだと思います。(学校専用に、そういうサービスを始める企業があってもいいと思う。教育委員会単位で契約するとか。)
まぁ、安全のため生徒の実名は書かず、ニックネームや出席番号でタグづけするという手もあります。また生徒指導に関わる具体は紙のみで記録・保管し、momonoteには概要のみ記載するのも手です。要するに、あとで思い出す手がかりが残っていればいいんですから。
こちらはこんな風に使ってみたい、というアイディアで、まだ具体的に業務にこのアプリを使い始めたわけではありません。ただ、日々の忙しさの中で、どうやって事実を記録し、記録を指導に活かしていくか、使えるものはいろいろ使っていきたいなと思っています。
今回は「授業ハック」というより、「お仕事ハック」でしたね。