あえて「ちょっと苦手なこと」を語ろう

 授業で扱う英作文やスピーチのお題というと、「私の宝物」とか「将来の夢」といったポジティブでキラキラしたものが採用されがちですが、私はあえてちょっとネガティブな要素を含むお題を設定することがよくあります。

 例えば、

人生で一番ツイてない1日

とか

私の苦手なアレ

みたいなものです。

 「好きなもの」より「嫌いなもの」「苦手なもの」には個性があり、それぞれに秘められたエピソードがあるものです。それも、犬が嫌いなのは昔噛まれたことがあるからとか、ジャニーズ嫌いなのはジャニヲタの姉のせいとか、ちょっと笑える話だったりもします。

 「好きなもの」より「嫌いなもの」の方が人を結びつける、というのもある意味で真理かもしれません。共感を呼びやすいですよね。もちろん、だからといって人の不幸を喜んだり、「あれ、ムカつくよねぇ」といった具合に嫌なオーラで人が集まってしまうのは避けたいですから、誰でも持っている「ちょっと苦手なもの」くらいにしたいところです。匙加減が肝要。

 「苦手なもの」をみんなにさらけ出すことで、お互いの距離もちょっと縮まったりすることもあります。私自身もコーヒー嫌いを告白してから、生徒との距離が縮まったような気もします。時々悪ノリする奴らもいますけど(笑)↓

 いずれにしても「学校で書くもの」というと、どうせ真面目で、前向きで、品行方正なものばかり、という思い込みから生徒が開放されるだけでも、各自のクリエイティビティーを刺激することができるんじゃないかと思います。

 生徒が授業中楽しんで書いてくれない、とお悩みの方は、時々の「スパイス」にそんなお題を試してみるのはいかがでしょうか。

 あ、明日のe-prosではそんなお話もしてみようかな。