「ピクショナリー」のゲーム性を一瞬で無力化する生徒のすごい裏技

 とっても衝撃的なことがあったので、割りと間隔を開けずに更新。

 中間テストも終わり、絶賛採点中ですが、授業の方は復習ということで恒例の「ピクショナリー」に取り組んでます。ピクショナリーというのはグループワークで、代表で英文を聞いてきた生徒が、内容を絵で表現して、他のメンバーが内容を当てて、英文を復元する活動です。私のよく言う「内容先渡し(content-given)」的な表現活動になるので、結構よく活用していますので、生徒も白いA3用紙を持っていくだけで、「あ、今日アレですね?」とニヤリとします。

 さて、そのピクショナリーですが、今日は最近の復習という位置づけで、3年生で習った文法を中心に問題文を用意したので、生徒も復元に苦労するだろうなぁと予想していました。そんな中、やたら正解を連発するグループが出現。

 第1問は”The small car was broken by Mr.◯◯.”という英文の復元に挑戦したんですけど、そのグループが描いた絵を見ると、

 車、割れている物体、人の顔

の3つが並んで描いてあります。車が壊されている場面そのものを描かずに、パーツごとに描くのも面白いですね。車も「小さい車」というのを表現するために隣に「大きい車」も描かれていて、なるほどこのグループは絵に工夫が見られるな、と思いました。

 ところがそのグループは、”The man drinking coffee is Mr.◯◯.”みたいな文もしっかり再現できてて、こんなの”Mr. ◯◯ is drinking coffee.’とどうやって絵で区別してるんだよ、とそんな出題したくせに心の中でツッコミしてました。

 ピクショナリーでは、答えを知っている絵を描く代表生徒は話すことができません。文字や数字も書くことができず、ジェスチャーも、まわりの生徒が「それ犬?」とか「走ってた?」とか内容を確認する時に頷いたり首を振ったりすることができるのみ。

 活動を観察していたALTによると、そのグループは班員が「だれが?」と聞くと「小さな車」の絵を、「する(です)」と聞くと「割れている物体」、そして「だれ・なに」と言うと「人の顔」という順番に、意味順に絵を書かせていたというのです。

 なんだそれ?((((;゚Д゚))))

 それ、すごくないか? というかそれやられちゃったら、このピクショナリーという活動の「難しさ」の半分以上を、あっさり乗り越えてしまうことにならないか?

 いや、個人的にはそれを聞いて感動すら覚えました。それをやるためには、代表生徒の英文理解(構造の理解)が求められるからです。それが成立しているという事実に、本当にびっくりしました。

 「意味順」の指導って、時間がかかります。教えたからといって、すぐに何かができるようになるとは限りません。でも、こうやって地道に取り組んでいくと、漢方のようにじわじわと生徒たちの頭の中に浸透していくんだなぁ、と実感しました。

 これ本当にすごいんだけど、次にピクショナリーやる時に、このワザを教えちゃってよいものか、悩みます。やって欲しいような、やってほしくないような。みんなが気づいて勝手にやるようになったら、「お前らすごいから、ゲームが成り立たん!」って言えるので、一番すごいかな。

 そんなご報告でした。