古巣での講演会

 昨日は、県の英語教育研究会の行事で、講演をさせていただきました。

 突然公立中学校教諭を辞めてしまった私に、登壇のお声をかけくださった(それを承認してくださった)方々に、本当に感謝です。お世話になった方々にもちゃんと直接ご報告をできないままに去ってしまったので、知っている方々ばかりいる会場に入ったときは、懐かしさと気まずさ半々だったのですが、本当にあたたかく迎え入れていただき、なんとか無事に講演をやりとげることができました。

 講演では、いつもの「意味順と名詞句」「機能語と内容語」の話をさせていただきました。他にもお話できるネタがないわけではないのですが、県内の多くの方々に一番お伝えしたいのはこれだなぁと思って、ある程度浸透するまではこのネタを続けようと思っていたので、今回県全体でのイベントでお話できたことはとても嬉しく思います。

 キーワードだけ見ると、マニアックな文法の話だと思われがちですが、個人的には教科書の扱いや表現活動の指導などのベースとなる、多くの人にかかわるコアなお話だと思っています。お聞きいただいた方々からは、そういう反応をいただけたので、ちゃんと伝わってるなぁと思って嬉しくなりました。

 せっかくなので、ダイジェスト版ですけどスライドを載せておきます。(こんな内容で私にお話させてくださる場所があれば、いつでもお伺いします)

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www.dropbox.com

 今回は自分が昨年度まで一員だった団体でお話させていただいたので、前半はお世話になった方々の思い出話。というか、私がブログでご紹介している活動やアイデアは、どれも地域の先輩方から教わったネタばかり。私がご紹介したネタも、気に入ったものは若い先生方に取り入れていただいて、それをカスタマイズして、進化させて、使っていただけたら嬉しいです。


 あ、そうそう、昨日のスライドにも入れたのですが、全国学力調査の結果について、NHKのNEWS WATCH9で取り上げられたた際の記事、ひどいですよね。

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 じゃあ、あなたはいつ三単現のsを完全に落とさずに英語がしゃべれるようになったのですか?(そもそもなっているのですか?)と問いたいですよね。いろんな研究で、なかなか定着しないものの代表としてよく取り上げられる項目なのに、「基本的な問題」ってずいぶんミスリード。

 いや、コミュニケーション万歳な世の中に「文法も大事だよ」と訴えたい意図なら面白いんですけど、そういうことでもなさそうです。全体的に日本の英語教育残念、という論調です。

www9.nhk.or.jp

 本当の意味での基礎・基本ってなんだろう?ということを、昨日はみなさんに考えてもらいました。教員間でも結構ブレがあるので(多少のブレはあっていいですけど、幅が大きすぎるので)もっと共有されていくべき話題だと思っています。

 じゃないと、世間とはもっと共有されていかないですよね。