今日は勤務校が学祭の準備期間ということで授業なし。そのタイミングで、某国立大学「新都心大学さいたま(仮名)」にお呼ばれしたので、4年生の教職実践演習の授業でお話させていただきました。
実は、自分が大学院を修了した年からこうして呼んでいただいているので、もう7、8年前から担当させていただいていることになります。この経験も、現在大学生相手に授業をする上で、すごく自分の力になっているなぁと感じます。お声かけいただいた恩師のO先生に感謝です。
さて、今年は2コマ連続での授業でしたので、前半は英語教師として、後半は教科以外も含めて教師として、という文脈でいろいろお話をさせていただきました。毎回、「英語教師に求められる力」というのを考えてもらっているんだけど、今年はたぶん初めて「日本語力」というのが出て、「英語の授業は英語で」なんて言われているご時世だからこそ、要所要所限られた機会に使う教師の日本語がとても大切になるのでは、という意見が出ました。なるほどなぁ。
学校を取り巻く環境は年々変化していると感じていて、特に教師の長時間労働が世間の話題になるようになって、今まで「よいもの」とされていた教師の努力が、もしかしたら自分たちの首を絞めていることもあるのでは、と言われるようになってきました。だから、「◯◯がやりたいから教師になった」もののその◯◯が教師の仕事ではなくなっていく未来だってあるかも知れないね、というお話もしました。
それでも、最後まで残るのは、免許を持っている英語教師としての仕事なわけで、そこにどれだけ誇りを持って取り組めるか、が今後の長いキャリアを分けるんじゃないかな、とも思います。
現実にはいろんなことがあるから、これから教師になる方々にいいことだけ言ってあげられないところが複雑なのですが、でもいろんなこと全部含めて、「英語教師は楽しい」です。それは、伝えられたかな?
さて、授業の最後、締めの話として教師の魅力を自分なりに語っているときに、呼んでくださったO先生に話しかけられて、話そうとしていたことをすっかり忘れてしまったので、そのときに言いたかったことを書いておきます。
1つは、教師はなんでもできること。まぁ、なんでもやってしまうから忙しくなってしまうので諸刃の剣ではあるのだけど、授業の中だけでも、いろんな役割、いろんな楽しみ、いろんなやりがいを感じられる仕事です。うん、これは授業で言えたんだった。
もう1つは、教師は1年目から、ベテランの先生と対等に勝負できること。いや、だからキツイんですけど。ベテランだろうが、1年目だろうが生徒からしたら「先生」「担任」なわけで、その人の一生に一度しかない中学◯年生の英語の授業を、学級を、担当するわけです。これって、プロ入団と同時に一軍の先発メンバーで試合に出るようなもんですよ。(そのへんの制度としての賛否はありますが)私は面白いと感じていました。うん、これが言いたかったw
中には卒業後に教員以外の道を選ぶ学生もいるかと思いますが、何十年か後に、ふとしたきっかけで教壇に立つ人もいるかも知れません。そんないろんな教師としてのキャリアをご紹介しているのがもう1冊のこちら。
成長する英語教師をめざして―新人教師・学生時代に読んでおきたい教師の語り
- 作者: 柳瀬陽介,組田幸一郎,奥住桂
- 出版社/メーカー: ひつじ書房
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- メディア: 単行本
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実習も終えたこのタイミングで読んでもらえると、何か感じるところがあるんじゃないかな、と思います。授業楽しかったです。どうもありがとうございました。
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