昨年、主催者の私の環境が大きく変わったこともあり、しばらくお休みしていた英語教師の自主サークルを、なんとか再開しようと準備をしていた矢先、新型コロナウイルス流行の影響で、人が集まる会合が難しくなっちゃいました。
ということで、ZOOMを使ったオンラインでのサークル開催に向けて、実験的な意味で本日ミニ会合を開いてみました。最大7人の方に参加いただきましたが、うん面白いね。十分サークルとしての活動はできそうな見通し。4月下旬から、また再開したいなと思っています。
今日のミニ会合に参加してくださった先生方に近況を伺っていると、やっぱり今回のウイルス対策により「対面によるペアワーク禁止」「声出すの禁止」に類する制限がある中で、どうやって英語の授業でコミュニケーションを成立させるのか、というお悩みが聞こえてきます。そりゃそうですよね。
そこで、(サークルでもお話したのですが)もしも私が今この状況下で中学校英語科教諭だったらどうしていたかな、ということを考えてみました。
まず、対面禁止措置を乗り越えるための「横並び、縦並び、背中合わせメソッド」です。
私はひねくれてるので、じゃあ向かい合わなきゃいいんでしょ、と考えたと思います。よく考えてみたら、人と人がお話するのは意外と対面じゃないよね、ということで、例えば中学生の帰り道をイメージしてみます。
・友達と並んで歩く時
→二人で並んで前を見たまま話す
・自転車で一列に並んで変える時
→前後で顔が見えない状態で話す
中学生は学校からの帰り道にどんな話をするかな、と考えてみると、いろいろ面白い場面や話題設定が浮かびそうな気がします。ついでに、前後の位置関係で話すとなると、結構しっかりと声に出して話さないといけなくなるので、ごにょごにょじゃなくある程度の声量で話させることができます。
これは、これまでによく電話のスキットをやらせるときに、背中合わせで手に電話機代わりの筆箱をもたせて会話させたりしてたのと似ています。あれも、(周りも一斉にやってるのでうるさいから)それなりの声で話さないといけなくなり、教室に活気が出ます。まぁ、今はあんまり唾が飛ぶようになっちゃうと意味がないんですけどね。(マスクをしましょう)
2つ目は、私が勝手に提唱している6つめの新領域「書くこと[やり取り]」です。
今回の学習指導要領改訂は、納得できないところがいくつかあるのだけど、その一つでもあるのは、「話すこと」だけ[やり取り]と[発表]に分割されたけど、書くことだって[やり取り]と[発表]があって然るべきでしょ、というお話。
みんな書くことをゴールにしがちで、逆に言うと生徒が書いたものが有効活用されてないし、誰に向けて書くのかということが全然仕掛けられてないんだけど、そもそも文字によるコミュニケーションだってコミュニケーションだし、むしろSNS全盛の今、日本語ではかなり文字でコミュニケーションしてるじゃないですか。
例えば下のようなワークシートを使って、ペアで文字で会話をさせても面白いですよね。(すみません、今2分くらいで作ったワークシートなのでテキトーですがご容赦を)
一応Wordファイルも置いておきます。ご自由にお使いください。
しかも、私なら隣の人とペアは組ませず、教室の中で4列右にいる人(向こうからしたら自分が「4列左にいる人)とペアリングして、このワークシートを折った上で「あの人に回して」と人手を伝って渡してもらいます。そう、授業中に先生に見つからないように離れた席の友達にお手紙回す、あのイメージです。
少し離れた人にメッセージ渡すほうがわざわざ文字で書く意味があるし、苦手な生徒もまわりの生徒に手伝ってもらいやすくなります。
内容もテーマだけ設定して雑談にしてもいいけど、例えば「できるだけ少ない回数のやり取りで、来週の日曜日に二人が実際に会えそうな時間と場所を決める」なんてタスクにしたら、なんて聞けばいいか(提案すればいいか)いろいろ工夫しそうですよね。そういうタスク性のある活動も面白いかなと思います。
もっと大掛かりでやるとすれば、前々からこのブログでご紹介しているCOSMOSやポケモンみたいな活動も面白いですよね。ご興味があれば過去の記事を御覧ください。
ということで、そうはいっても、実際の学校現場ではさらにいろんな縛りがありそうで、スムーズにいくかわかりませんけど、いろいろ考えてみると、これまでの英語の授業で見落とされていた活動が、形になっていく期間になるかも知れませんね。みなさまのアイデアもいろいろ聞かせてもらえたら嬉しいです。